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カルティエ、時の結晶 [EXHIBITION]

先週の水曜日に観てきた展覧会。

一生縁がないであろう世界を目の当たりにする眼福…。

国立新美術館で開催中の『カルティエ、時の結晶』。
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過去にも何度かカルティエの展覧会が開催されたことがあるそうだが
今回はこれまでとは異なり、主に1970年以降の現代作品に
焦点を当てているのが特徴とのこと。

チケットを提示して中に入っていくと
まず始めに音声ガイドの無料貸出コーナーがある。

展示室内は必要最低限の照明しかないような感じでかなり暗く、
作品のキャプションもほとんどないので、この音声ガイドは必須!。

音声ガイドと言っても、見た目はスマートフォン。
鑑賞者がガイドが用意されている作品に近づくと
ブー!と振動音で知らせてくれる、という気の利いた仕掛け。
(音声ガイドを聴いている途中で、つい不用意に画面に触れてしまうと
 そこでストップしたり次の作品の説明に進んでしまうのが玉に瑕…-_-;)。

鑑賞者が最初に目にするのは、大きな余計。
これは今回の展覧会の構成を担当した新素材研究所の
杉本博司氏の『逆光時計』という作品。


更に進んで行くと、円形のスペースに
スポットライトのような布製の円筒がそそり立っていて
(というかホントは立っているのではなく吊り下げられている)
その中のガラスケースには「ミステリークロック」と呼ばれる
不思議な時計が展示されている。

ここは序章「時の間」。

「ミステリークロック」とは、時計の長針と短針がガラス製の
文字盤の中に独立して浮かんでいるように見え
「えっ?!一体どうやって動いてるの?てかホントに動くの?」と
頭の中がハテナマークだらけになってしまう時計。
その仕組みを知れば「あぁなるほど」と得心がいく。
1920年代のものから2010年代のものまで
幅広く展示されているけれど、デザインが新しそうに見えるものが
実は1920年代のものだったりするのが面白い。


第1章は「色と素材のトランスフォーメーション」。
素材や色彩という観点から、カルティエの独創的な視点や表現手法を検証。
プラチナの白さと輝きを活かした繊細な作品や
色とりどりの石や真珠母貝、珊瑚などを使用した
ネックレスやブレスレット、ティアラなどの装身具が並ぶ。

ここで使用されている展示ケースも凝っていて
ケースの背面は、木目が美しい春日杉が使われている。
また、ネックレスを展示するデコルテのトルソーは
神代杉や神代欅、屋久杉を使用して仏師が彫り上げたものだそう。


第2章は「フォルムとデザイン」。
エッセンシャルライン、球体、ニューアーキテクチャー、
オプティック(視覚的効果)、アクシデントといった
キーワードから、カルティエのデザインを紐解く展示。

ここの展示には大谷石が使用されていて
なんだかまるでどこか古代の地下宮殿に迷い込んだような空間。

ここに展示された作品のひとつに
プラチナとルビーとダイヤモンドを使ったネックレスがあったのだけど
それがキラキラキラキラキラと尋常でない輝きを放っていて
なんだかずーっと観ていたい気持ちになって
しばらくそこから動けなくなってしまった(‥;)。


第3章は「ユニバーサルな好奇心」
様々な国や地域の文化や文明への好奇心が生み出した作品の数々。
ここのエリアはなんと撮影可。
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というわけで、趣味がいいか悪いかは別として(笑)
面白いねぇ〜と感じたものをバシバシ撮影。
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鳥。


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オーキッド。


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ブルガリもだけど…ヘビ、好きだよねぇ…(^^;。


ここの展示は、彗星の軌道を模した楕円形。
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木材で作った素地の上に、樹脂を混ぜて強化した土壁を左官仕上げで塗ったもの。

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鑑賞者が楕円軌道に沿って連なりながら、ケースの中を覗き込む姿を遠巻きに観て
なんだか水族館みたいだな、なんて思った。


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サボテン?!。


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ものすごく精巧に作られたクロコダイルなのだけど、
これがなんとネックレスなんだって!(◎_◎)。
これ、首から下げるのって…(^^;(^^;(^^;。


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ヘアバンド。背後のシルエットもカッコいい。
照明もかなり凝っている。


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「陰陽」ペンダント。


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トラ。だらり〜んって感じがかわいい。


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コブラ。

そういえば、ところどころに展示されていた
カルティエのジュエリーと日本の古美術品を一緒に展示した企画も面白かった。
これも杉本氏によるものなのだけど
例えば「春日鹿曼荼羅」の掛け軸と
シダの葉をモチーフにしたダイヤモンドのジュエリーの組み合わせ。
これが意外なほどに違和感がない。


いやはや、まさに「目の保養」というべき展覧会だった。
ただ、これは好みの問題だけど4年前のブルガリ展の方が
「まぁステキ!」な作品が多かった気がする。
思い返してみれば「ブルガリの腕時計が欲しい!」と思っても
「カルティエの腕時計が欲しい!」と思ったことはなかったなぁ(^o^;。


最後に今回の自分土産は、カルティエのジュエリーを
クローズアップ撮影したポストカード2枚のみ。
図録もぱらぱらと観てみたけれど、どんなに綺麗に撮った写真でも
当たり前だけどやっぱり本物の輝きにはかなわない。

キラキラしたものをいっぱい観て、
なんだか視細胞が喜んでる感じがした(笑)。




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《オマケ》
この日のランチ。
美術館地下1階、カフェテリア・カレの「きのことベーコンのペンネ」
および「にんじんのクリームスープ」。
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美味しかった(*^^*)。
コメント(2) 

コメント 2

YAYOI

カルティエ展、行かれないのかなって思ってたら、やはり行かれたのですね。
木材と組み合わせた展示方法とは斬新ですね。
私も今週末に国際フォーラム前に行く予定なので、楽しみです♪

だら~んの虎が可愛い♪
by YAYOI (2019-10-24 12:38) 

梅屋千年堂

>YAYOIさん
とても素敵な展覧会でした〜(*^^*)。
展示の仕方がとても凝っていて、まるで異次元空間。

国立新美術館自体は「独立展」「二紀展」といった
2つの公募展の関係者で混雑していましたが
カルティエ展自体はそこまで混んではいませんでしたよ。
(平日だったからかも知れませんが…)。
全部観終わるのに意外と時間がかかりますので
どうぞお時間には余裕を持ってお出掛けを。
音声ガイドは是非とも借りてみてくださいねー。

by 梅屋千年堂 (2019-10-24 21:03) 

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