SSブログ

不思議の国のアリス展 [EXHIBITION]

先週の木曜日に観に行った展覧会。

場所は横浜そごう内のそごう美術館。
01_entrance.jpg

誰もが知っている『不思議の国のアリス』は
オックスフォード大学の数学講師だったルイス・キャロル
(本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドットソン)が書いたお話。

物語が生まれた1860年代から現在に至るまで
多くの人を惹きつけて止まない『不思議の国のアリス』の魅力を
紹介する展示構成。

第1章「始まりの話 −アリスの誕生」では
『不思議の国のアリス』という物語が誕生するきっかけとなったエピソードを始め、
ルイス・キャロル本人やアリスのモデルとなったアリス・リデルのポートレート、
ルイス・キャロルが描いた挿絵のスケッチ、
そして『不思議の国のアリス』と言えばこの挿絵!の
ジョン・テニエルが描いた挿絵のための下絵など
貴重な資料が展示されている。

個人的に最も興味深かったのは、やっぱりジョン・テニエルの挿絵の下絵。
物凄く小さな画面に物凄く細密かつ精緻に描かれている。
単眼鏡を持ってこなかったことを激しく後悔。


第2章「アリスの物語 −不思議の国への招待」では
現代のアーティストが描いた作品に沿って
『不思議な国のアリス』『鏡の国のアリス』のストーリーを追っていく。

このコーナーにあったフォトスポット。
02_photospot.jpg

どのアーティストが描くアリスも、その世界観もそれぞれ個性的で面白い。
アリスのドレスの色はもちろんブルーとは限らず
ノースリーブのサマードレスに白いスニーカーなんて出で立ちのアリスもいる。
原作の設定よりも幾分おねえさん風のアリスもいる。
共通して言えるのは…どのアリスもいまひとつ可愛くない(^^;。
モデルとなったアリス・リデルはなかなかの美少女なのだけど
現代のアーティストが描くアリスは何故かいまいち。

それにしても、ジョン・テニエルやディズニーのアリスが持つ
強烈なイメージをすべて取っ払って、まったく新しいアリスの世界を
作り出すのは相当に大変なことなのではないかと思う。


そのあたり《アーティスト》と呼ばれる方々の
イマジネーションはさすがだねぇ!と唸らせてくれるのが
第3章「アートの国 −世界が愛する永遠のアリス」。

こんなトンネル(?)の前を通過して次のエリアへ。
03_tunnnel.jpg

ここでまずビックリするのが、今から1903年に制作された映画の映像や
1933年に制作された映画の予告編映像。
そんな昔の映像が残っていること自体驚きだし
1933年の予告編映像なんてウソみたいに状態が良い。

ディズニーの『不思議の国のアリス』に関する資料もあって
面白かったのはまるでアメコミみたいなタッチで描かれた
「ウォルト・ディズニー名作童話シリーズ」の原画。

おそらく今の子供たちの多くが
『不思議の国のアリス』と聞いてイメージするのは
このディズニーのアリスなんだろうなと思うと
やはりディズニーの影響力ってのは凄まじいと感じる。
(その強烈な影響力ゆえ、いわゆる昔からある童話のストーリーに
 アレンジを加えすぎる最近の傾向はどうなんだろう?と思う)。

この章では、マリー・ローランサンが描いた『涙の池』や
エリック・カールが描いた『チェシャネコいもむし』も展示されている。
(この『チェシャネコいもむし』がめちゃめちゃカワイイ)。

そんな中で、まったくもって独自の世界を切り開いていちゃってるのが
シュルレアリスムの巨匠・サルヴァトール・ダリ、
そして水玉の女王・草間彌生である。
   (ホントは↑この呼び方、あんまり好きじゃない)。

最初、展覧会の終盤でなにゆえやよいちゃんの作品が飾られているのか
さっぱり「???」だった。
が、恥ずかしながら全然知らなかったのだけど
やよいちゃん、何年か前にこんな本を出していた。

不思議の国のアリスWith artwork by 草間彌生

不思議の国のアリスWith artwork by 草間彌生

  • 作者: ルイス・キャロル
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2013/07/22
  • メディア: 大型本


いや〜、これイイ!。
(ミュージアム・ショップでも売っていたが
 重たいので帰宅してからAmazonでポチったことは言うまでもナイ^o^;)。


というわけで、自分土産もやよいちゃん中心。
04_souvenir.jpg
(一番上がエリック・カールの『チェシャネコいもむし』)。

期せずしてやよいちゃんの作品と出会えたことは眼福であった。



(どうでもいいが『鏡の国のアリス』には「白の騎士」という
 ちょっとへんてこなキャラクターが登場する…^^;)。



---------------------------------
《オマケ》
アタシが『不思議の国のアリス』に興味を持つきっかけになったのがこれ。
01_cover.jpg
中学一年の時の英語の教科書『THE NEW CROWN ENGLISH SERIES 1』。
この教科書が好きすぎて、いまだに手の届くところに置いているという…(^^;。
(思わず「懐かしい!」と叫んだ人も少なくないはず笑)。

この教科書に、こんなのが載っていて…
02_alice.jpg

03_alice.jpg
この「なんちゃってジョン・テニエル」な挿絵を見て
原作を読んでみたい!などと思ったのだった。
(同じ頃、高校生の兄が英語の授業の課題で原書を読まされていて
 それも興味の一端だった気もする…)。


この教科書にはビートルズも登場する。
(ぜんっぜん似てないんだけど^^;)。
04_beatles.jpg
この年の12月、ちょうどジョン・レノンが凶弾に倒れたのだった。
なので勝手に遺影のリボンを落書きをしていた当時のバカなアタシ13歳…。
コメント(4) 

コメント 4

ナッキー

中学1年生の英語の教科書にアリス載ってました。

Down down down ALICE went down a big hole.
冒頭のセリフ今でも憶えてます(^^)

そごうで開催していたんですね?
最近美術館行けてないので、次の休みに行ってみようかな(^-^;
by ナッキー (2019-10-15 23:29) 

梅屋千年堂

>ナッキーさん
ナッキーさんの中1の教科書のアリスは
アタシが使っていたNEW CROWNとは比べものにならないくらい
詩的ですね(^^;。

そごう美術館のアリス展は11月17日まで開催中です。
アタシはやらなかったけど「リアル脱出ゲーム」なんてのも
やっているようですよ。

by 梅屋千年堂 (2019-10-15 23:56) 

おかん

こんなトンネル~、に反応しました、アリスは小学生の時習っていた書道の先生の家にあり、おけいこをサボって読んでいました。
去年かな、長女に誘われ、生まれて初めてバレエを観劇したのが不思議の国のアリスでした、舞台セットがこのトンネルの感じでした。
by おかん (2019-10-28 14:56) 

梅屋千年堂

>おかんさん
そういえばこの展覧会でも
不思議の国のアリスのバレエの資料が展示されていました。
(かなり昔の物ですが)。
バレエも一度は観てみたいのですが、
歌舞伎同様なかなか敷居が高いです。

by 梅屋千年堂 (2019-10-28 21:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。