開港160年 横浜浮世絵 [EXHIBITION]
タダ券(=招待券)を頂いたので、
軽い気持ちで観に行った展覧会・其の二。
『水木しげる 魂の漫画展』を観た後、みなとみらい線で馬車道に移動。
久々の神奈川県立歴史博物館。
(わざとレトロっぽい感じで撮ってみた)。
この重々しいルックスが好き。
旧横浜正金銀行本店として1904年に建てられた旧館部分と
1967年に増築された新館部分からなる。
ドーム部分は関東大震災で焼け落ちたが、1964年に復元。
今ここで『開港160年 横浜浮世絵』という展覧会が行われている。
博物館の正面玄関は反対側なのだけど
向こう側に回るのが面倒なので、こちら側(馬車道口)から入館。
天井のステンドグラスが美しいのだ。
時刻は14時過ぎ。
お昼を食べていなかったので館内の喫茶室《喫茶ともしび》にて
「なつかしのナポリタン」をいただく。
スパゲティ・ナポリタン…食べたの何年ぶりだろう。
確かに懐かしい家庭的な味で美味しい。
パルメザンチーズもどさどさかけてしまった(^^;ゞ。
デザートも欲しいなと思って
「横濱馬車道アイス」も注文したらカップで出てきた(笑)。
あ〜…このシャリシャリしたシャーベットっぽい食感が
さっぱりしてて良い〜( ̄▽ ̄)。
コーヒーは食事とセットになったブレンドなのだけど
こちらも意外な美味しさだった。
さて(やっと)本題。
「横浜浮世絵」とは、開港をきっかけとして
新しく作られていった横浜の街や来日した外国人を描いたものや、
明治期にさらに洋風に整備されていった街や鉄道を描いた作品群のこと。
現在の街並みと比較しながら
横浜を撮影した古い写真や浮世絵を見るのが好きなので
こういう展覧会はちょっとワクワクする。
まずは序章として《横浜開港前夜》。
開港以前、横浜は浮世絵で描かれるような場所ではなかった
(=何もなかった^o^;)が、横浜に近い東海道の宿場・神奈川は
海を臨む眺望が人気でたびたび描かれていた…ということで
葛飾北斎『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が登場。
今は既に後期展示なのだけど、
前期にはやはり北斎の『神奈川沖本杢之図』が展示されていたようだ。
広重の『冨士三十六景 武蔵野毛横はま』という作品もあったが
正直「これは横浜の絵ですよ」と言われなければ横浜だとは分からない。
それほど当時の横浜には何もなかった…ということだろう。
《第1章 街ができる −横浜開港−》では、
新しく整備され始めた横浜の街の鳥瞰図から始まる。
本町◯丁目とか、吉田橋とか、大岡川とか、野毛とか、伊勢山太神宮とか、
耳慣れた地名も出てきて、ほぅほぅなるほど…と
横浜が描かれたものであるという実感が湧く。
今の横浜スタジアムのあたりは港崎(みよざき)遊廓と呼ばれた遊郭で
そこにあった岩亀楼の様子を描いたものも多数。
遊女とそこを訪れた外国人客と日本人客が入り乱れた
なんとも異質な浮世絵…(^^;。
和服姿の遊女や日本人客はそれなりに巧く描かれているのだけど
外国人の服装や風貌の描写にはなかなか苦労した感が伺えて面白い(^m^)。
ちなみにこれらの多くを描いているのが「貞秀」。
…貞秀ってダレ?(^o^;
と思って調べたところ、歌川貞秀。
歌川国貞の門人で、鳥瞰図を数多く描いた絵師らしい。
貞秀の他は、歌川芳虎、歌川芳員といった絵師の名が並ぶ。
《第2章 外国人との出会い》では、人物にクローズアップ。
ここでも「外国人」を描こうと一生懸命なのが伝わってくるが
女性の顔がどうしても日本の美人画風になっちゃってるところに
思わずクスッとなってしまう。
それでも、今まで見たこともない外国人のファッションや
家具などの調度品や生活習慣などは、絵師たちにとって
さぞかし描き甲斐のある題材だったんじゃないかと思う。
1860年代初頭に、横浜から上陸した虎や象の絵も。
でも…これ虎じゃない。どうみても豹なんだけど???。
と不思議に思いながらキャプションを見たら
「当時、豹は虎の雌と認識されていた」らしい(^^;。
《第3章 横浜の明治》。
1866年10月の横浜の大火で多大な被害を受けた横浜の街。
外国人の要望も受けて、防火対策を講じた新たな街作りが始まり
石造りの西洋建築が建てられる。
ベランダ付きの二階建て、窓には花柄やチェックのカーテン。
煙突や塔、鉄製の柵や門扉、鉄橋になった吉田橋…
絵師たちはこうした西洋建築もかなり細かく描いている。
これらの中に現存する建築物はないので
当時の横浜の街並みを知る資料としても貴重なんじゃないかと思う。
もしもタイムマシンがあったら、この当時の横浜に行って
このあたりをぶらぶら歩いてみたい、そんな気にさせられた。
1872年に新橋−横浜間に鉄道が開通。
横浜駅の様子や、横浜の街を走る蒸気機関車も多数描かれたが
それ以降、人々の関心は東京へと移り、浮世絵自体の衰退もあって
「横浜浮世絵」は姿を消した。
う〜む…こちらもサラッと観て帰るつもりだったけど
やっぱりついつい見入ってしまい、
『水木しげる 魂の漫画展』とのハシゴはかなりエネルギーを消耗した。
前期と後期とで殆どの作品がまるっと入れ替わっており
前期展示の作品も観たいなってのと、
¥1,500とお手頃価格だったこともあり図録購入。
パラパラと眺めながら、幕末〜明治の横浜を想像するのも楽しい。
軽い気持ちで観に行った展覧会・其の二。
『水木しげる 魂の漫画展』を観た後、みなとみらい線で馬車道に移動。
久々の神奈川県立歴史博物館。
(わざとレトロっぽい感じで撮ってみた)。
この重々しいルックスが好き。
旧横浜正金銀行本店として1904年に建てられた旧館部分と
1967年に増築された新館部分からなる。
ドーム部分は関東大震災で焼け落ちたが、1964年に復元。
今ここで『開港160年 横浜浮世絵』という展覧会が行われている。
博物館の正面玄関は反対側なのだけど
向こう側に回るのが面倒なので、こちら側(馬車道口)から入館。
天井のステンドグラスが美しいのだ。
時刻は14時過ぎ。
お昼を食べていなかったので館内の喫茶室《喫茶ともしび》にて
「なつかしのナポリタン」をいただく。
スパゲティ・ナポリタン…食べたの何年ぶりだろう。
確かに懐かしい家庭的な味で美味しい。
パルメザンチーズもどさどさかけてしまった(^^;ゞ。
デザートも欲しいなと思って
「横濱馬車道アイス」も注文したらカップで出てきた(笑)。
あ〜…このシャリシャリしたシャーベットっぽい食感が
さっぱりしてて良い〜( ̄▽ ̄)。
コーヒーは食事とセットになったブレンドなのだけど
こちらも意外な美味しさだった。
さて(やっと)本題。
「横浜浮世絵」とは、開港をきっかけとして
新しく作られていった横浜の街や来日した外国人を描いたものや、
明治期にさらに洋風に整備されていった街や鉄道を描いた作品群のこと。
現在の街並みと比較しながら
横浜を撮影した古い写真や浮世絵を見るのが好きなので
こういう展覧会はちょっとワクワクする。
まずは序章として《横浜開港前夜》。
開港以前、横浜は浮世絵で描かれるような場所ではなかった
(=何もなかった^o^;)が、横浜に近い東海道の宿場・神奈川は
海を臨む眺望が人気でたびたび描かれていた…ということで
葛飾北斎『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が登場。
今は既に後期展示なのだけど、
前期にはやはり北斎の『神奈川沖本杢之図』が展示されていたようだ。
広重の『冨士三十六景 武蔵野毛横はま』という作品もあったが
正直「これは横浜の絵ですよ」と言われなければ横浜だとは分からない。
それほど当時の横浜には何もなかった…ということだろう。
《第1章 街ができる −横浜開港−》では、
新しく整備され始めた横浜の街の鳥瞰図から始まる。
本町◯丁目とか、吉田橋とか、大岡川とか、野毛とか、伊勢山太神宮とか、
耳慣れた地名も出てきて、ほぅほぅなるほど…と
横浜が描かれたものであるという実感が湧く。
今の横浜スタジアムのあたりは港崎(みよざき)遊廓と呼ばれた遊郭で
そこにあった岩亀楼の様子を描いたものも多数。
遊女とそこを訪れた外国人客と日本人客が入り乱れた
なんとも異質な浮世絵…(^^;。
和服姿の遊女や日本人客はそれなりに巧く描かれているのだけど
外国人の服装や風貌の描写にはなかなか苦労した感が伺えて面白い(^m^)。
ちなみにこれらの多くを描いているのが「貞秀」。
…貞秀ってダレ?(^o^;
と思って調べたところ、歌川貞秀。
歌川国貞の門人で、鳥瞰図を数多く描いた絵師らしい。
貞秀の他は、歌川芳虎、歌川芳員といった絵師の名が並ぶ。
《第2章 外国人との出会い》では、人物にクローズアップ。
ここでも「外国人」を描こうと一生懸命なのが伝わってくるが
女性の顔がどうしても日本の美人画風になっちゃってるところに
思わずクスッとなってしまう。
それでも、今まで見たこともない外国人のファッションや
家具などの調度品や生活習慣などは、絵師たちにとって
さぞかし描き甲斐のある題材だったんじゃないかと思う。
1860年代初頭に、横浜から上陸した虎や象の絵も。
でも…これ虎じゃない。どうみても豹なんだけど???。
と不思議に思いながらキャプションを見たら
「当時、豹は虎の雌と認識されていた」らしい(^^;。
《第3章 横浜の明治》。
1866年10月の横浜の大火で多大な被害を受けた横浜の街。
外国人の要望も受けて、防火対策を講じた新たな街作りが始まり
石造りの西洋建築が建てられる。
ベランダ付きの二階建て、窓には花柄やチェックのカーテン。
煙突や塔、鉄製の柵や門扉、鉄橋になった吉田橋…
絵師たちはこうした西洋建築もかなり細かく描いている。
これらの中に現存する建築物はないので
当時の横浜の街並みを知る資料としても貴重なんじゃないかと思う。
もしもタイムマシンがあったら、この当時の横浜に行って
このあたりをぶらぶら歩いてみたい、そんな気にさせられた。
1872年に新橋−横浜間に鉄道が開通。
横浜駅の様子や、横浜の街を走る蒸気機関車も多数描かれたが
それ以降、人々の関心は東京へと移り、浮世絵自体の衰退もあって
「横浜浮世絵」は姿を消した。
う〜む…こちらもサラッと観て帰るつもりだったけど
やっぱりついつい見入ってしまい、
『水木しげる 魂の漫画展』とのハシゴはかなりエネルギーを消耗した。
前期と後期とで殆どの作品がまるっと入れ替わっており
前期展示の作品も観たいなってのと、
¥1,500とお手頃価格だったこともあり図録購入。
パラパラと眺めながら、幕末〜明治の横浜を想像するのも楽しい。
2019-06-14 00:24
コメント(2)
歴史博物館素敵ですね、レトロっぽい写真もとってもいい感じです。
ナポリタンですね!(^^)!
by おかん (2019-06-28 16:50)
>おかんさん
ホントにこぢんまりした「喫茶室」なんですが
温かみの感じられる空間でした。
ナポリタン、美味しかったです〜。
今度行ったら「昔ながらのハヤシライス」を食べようかと(^^;ゞ。
by 梅屋千年堂 (2019-07-04 21:48)