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特別展『国宝 東寺 −空海と仏像曼荼羅』 [EXHIBITION]

今年楽しみにしていた展覧会のひとつ。

ということで、本当は早い時間に出掛けたかったのだけど
耳鼻科に行って花粉症の薬をもらいに行ったり、
2週間後の国立西洋美術館の建築ツアーの予約受付が10時からあったり、
その他いろいろバタバタしてて、東京国立博物館に到着したのは12時半過ぎ。

まずは東洋館地下1階にあるミュージアムシアターへ。
直近の13時の回がまだ完売になっておらず
そのままそこで10分程待ってからシアター内に入場。

今ここで上映されているのが『空海 祈りの形』という作品。
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(↑上映後の撮影タイムに撮った画像)。

東寺講堂の立体曼荼羅の魅力を超高精細VR映像で解き明かす、という内容。
空海が唐に渡り、真言密教の教えを広めるために
東寺の講堂を作ったというところから始まり、
如来、菩薩、明王、天、それぞれが講堂内でどのように配置されているのかを
とてもわかりやすく説明してくれる。
ただ、人気の帝釈天については殆ど触れられることはなく
そこが拍子抜けといえば拍子抜けだった。
(まぁいくら現代人に人気があったとしても
 立体曼荼羅においてはあくまでも脇役だから仕方ないけど^^;)。

あまりにも美しい映像と音楽で、途中一瞬意識が遠退いたが(^o^;
それはそれでなんだか違う世界に連れていかれたような感もあり
ちょっと幻想的な気分を味わうことが出来た。

そんなわけで、少し眠くなってしまったので
メインの展示を観る前にちょっとカフェインを摂取しておきたいと
法隆寺宝物館のホテルオークラ ガーデンテラスを覗いてみたが
結構な人数が順番待ちで並んでいたので断念。
諦めて平成館に向かうことにする。

おや、今日は何故だか黒門が開放されてる。
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上野の桜ももうかなり散ってしまっているけれど
黒門の前にあった八重桜は今が見頃。
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表慶館にはなにやら派手な看板が。
何をやっているんだろう?と見てみると「BVLGARI」とある。
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えっ?なに?またブルガリの展覧会なんてやってんの?。
知らなかった!観たいじゃん!。
そう思ってスマホを使いすぐさまその場で調べてみたのだけど、
どうやら展覧会ではない模様???。

よくわからんのだけど、数日前にここで
ブルガリのハイジュエリーコレクション「ワイルドポップ」の
ガラディナーってのが開催されたらしい。


というわけで、平成館。
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やっぱりどうしてもカフェインを摂取したく
平成館ラウンジの鶴屋吉信で和菓子とコーヒーをいただく。
ここで出しているコーヒーは和菓子に合うようにブレンドされているそうで
酸味が少なく、とってもアタシ好みだった。

そして2階に上がり先に特設ショップを軽くチェックした後、展示室内へ。

さぞかし連日混み合っているのでは?と覚悟していたけれど
ここ数日の公式ツイッターを見る限り、
いずれの時間帯もチケット売場も入場も待ち時間はゼロ。
確かに展示室内に入っても、決して空いてはいないが
どの展示もストレスなく鑑賞できる、ちょうどいい混み具合。
激混みになるのは会期中盤、
国宝「両界曼荼羅図」が登場するあたりなのかも。

空海や密教に関する展覧会といえば
2011年にもここ平成館で『空海と密教美術展』が開催された。
この時は、東寺に限らず複数の密教寺院が所蔵する
様々な仏像や資料が展示されていたけれど、
今回はその殆どが東寺所蔵のものばかり。
しかも空海が嵯峨天皇から東寺を賜ったのが823年なので
展示品もその平安時代当時の古〜いものが多い。

そんな中で、特に眼福だったのが空海自筆の書である国宝『風信帖』。
空海が最澄に宛てて書いたという書状。
平安の三筆の一人である空海。
何が書かれているのかは勿論よくわからないが(^o^;
サササッと書いたお手紙にもかかわらず、
一文字一文字のバランスが良く、巧い字であることはアタシにも分かる。
しかも、実際にかの空海が何百年も前にこれを書いたのだと思っただけで
なにやら壮大なロマンを感じてしまうのだった。

展示品の殆どが国宝または重文というのもスゴイ。
たとえ国宝・重文でも、自分の興味を惹かないものは
サラッとスルーしてしまうことも多いのだけど
この展覧会に出品されているものはいずれもじっくり観たいものばかりで
いつになく時間をかけて鑑賞した。

アタシの中で特に心に残ったのは
『弘法大師像(談義本尊)』賛 伝後宇多天皇
『蘇悉地儀軌契印図』
『愛染明王香合仏』
『散華』←散華で使用する紙製の花びら
このあたり。

大きな曼荼羅図としては、今は「両界曼荼羅図(甲本)」の
「金剛界」の方が展示されているのだけど、
結構傷みが激しくてなんだかよくわからなかった(^^;。
そもそも曼荼羅とは、言葉で伝えるのが難しい密教の教えを
ヴィジュアルで表現したものということなのだが
曼荼羅図にしていただいても、
アタシなどにはやっぱりよくわからないのだった(^o^;。



第二展示室に移ると、いよいよ今回の目玉である仏像たちが登場する。

まずは平安京の羅城門に安置されていたと言われる『兜跋毘沙門天立像』。
地天女が広げた両手のひらの上に立つ、スラッと背の高い毘沙門天像。
毘沙門天なのだけど、かぶり物や甲冑がエキゾチックで
いわゆる一般的に良く知られた毘沙門天像とは様子が異なる。
地天女の両脇にいる尼藍婆と毘藍婆の顔付きが
「いるいる、こういうおばさん(^m^)」って感じで笑ってしまう。

そして更に先へ先へと進んでいくと、最後の大きな展示室に
目玉中の目玉!東寺 講堂の立体曼荼羅21軀のうちの15軀が
バーン!と展示されている。

東寺 講堂では左端に安置されている帝釈天騎象像だが
今回はもう扱いが別格!。さすが屈指のイケメン仏(笑)。
他の仏像と向かい合わせになる形で単独で設置され
なんと写真撮影もオッケーという、まさにアイドルのような扱い。
(いや、確かにアイドル=偶像なんだけれども)。

というわけでご多分に漏れず、皆さんに混じって撮りまくる(笑)。
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いや〜っ、美しいなぁ(*^^*)。


顔のみならず、ポーズも良いのだ。
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これ、両脚を下にして普通に象に跨がってる姿だったら
ここまで格好良くないと思う。半跏がカッコ良さを倍増させている。


真正面。
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左脚の親指が少し上を向いているところや
金剛杵を持つ右手のカタチに写実性を感じる。
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象に乗る姿はインド風で、
これよりも過去の帝釈天とは趣きが異なり
空海がもたらした新しい情報に基づいて造られたのだそう。

空海が「こういう顔にしなさい」と指示したわけではないだろうけど
当時もこういう顔はイケメンとして扱われていたのだろうか…。


もちろん、帝釈天以外の他の仏像も大注目である。
静謐な如来像や菩薩像もいいけれど、
やっぱり表情やポーズに動きがある明王や天に強く惹かれる。
持国天に増長天、4つの顔に8本の腕を持つ降三世明王などは
何度も何度も周囲をぐるぐる回ってじっくりと拝見させていただいた。

チャンスがあればもう一度観に来たいけどなぁ…時間ないかな。



最後は特設ショップでお買い物(^^;ゞ。

亀屋良長の《焼きあづき》。
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こしあんを作る際に出る小豆の皮をぼうろ生地に混ぜ込んだ焼き菓子。
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周りの白いのは和三盆糖。
ザクッとした食感と、上品な甘さで美味。


レジ横に置いてあって、つい一袋手に取ってしまった
フェリシモの寺チャームコレクション。
全6種(他にシークレットもあるらしい???)で
開けてみるまで何が出るかわからないってやつ。
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独鈷杵だった…。三鈷杵か金剛羯磨が欲しかったぁ〜。


そして帝釈天が乗ってる象さんの箸置き。
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だけど、なんだか箸置きにすると象さんが悲しそうに見えてしまう…。
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なので、普通に置物として飾る予定。


東寺…大好きなお寺のひとつだけど、久しく行ってない。
今回の展覧会を観ていたら、改めてまた行きたくなった。
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コメント(8) 

コメント 8

こたろう

ハッ( ゚д゚)忘れてました、東寺展
次の展覧会に行く気満々だった私です
予定変更して、お江戸へ行く予定も組まねば!
にしても、イケメンですねー
いつまでも見ていられますね
でも、見ていて惚れ惚れする仏像サマってあまりないかもしれない
by こたろう (2019-04-11 20:53) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
東寺展、とても良いですよ。
そして今日は若大将フェスの前に、またまたトーハクへ行って
昨日時間がなくて観られなかった『両陛下と文化交流』を観てきました。
ただただ酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」を観るためだけに。

建築ツアーの予約も取れたので、
再来週はいよいよ『ル・コルビュジエ展』に行ってきまーす。

>>惚れ惚れする仏像サマ
東寺の帝釈天の他は、やはり興福寺の阿修羅ですかね〜。

by 梅屋千年堂 (2019-04-12 00:23) 

おかん

とても良かったです。4/1に長女と行きました。休館と思ったのですが東寺展のみ入れるという日でしたので珍しく早めに行きました。見始まって少し経ってからチャイムの音が鳴りました・・、?と思ったのですが正午のチャイムだったようです。職員用チャイム??
作品は本当にどれも見入ってしまいますね~。実家は真言宗でかなり興味を持ちました、私も会期中にできればもう一度と思っております。
撮影OKの隣りで、別作品を見ていたら係の女性が急に大きな声を出されて走ってきたので何事か?!と思ったら、外国の方が撮影していました。たぶん勘違いされたのでしょうね・・。

ショップでは、あぶら取り紙を買って帰りました。


by おかん (2019-04-12 17:16) 

梅屋千年堂

>おかんさん
曼荼羅の世界はまだまだ理解できないけれど
それでも立体曼荼羅はテンションが上がります。
お堂の中と違って仏像の間を自由に歩けるのは展覧会ならではですね。

>>外国の方が撮影していました
外国の美術館・博物館は撮影OKのところが多い(殆ど?)のようですから
ついその習慣も出てしまうのでしょうね。
MIHO MUSEUMに行った時も、撮影禁止エリアで
外国人の方がバシャバシャ撮りまくってました。
人手が足りないのか係員さんもおらず撮りたい放題。
注意できなかった自分がちょっと情けなかったです…(-_-;。

by 梅屋千年堂 (2019-04-13 00:25) 

きゅう

「いつ行こうか」と思いながら、出展リストを見ながら考えていたのですが、10期に分かれるというので結局いつ行っても変わらないという結論に達し5月の連休明けに行く予定です。きっとまた5時間コースなのかな…と思いながら。

公式サイトの帝釈天搬出動画で当然ではありますが帝釈天と象を離すのをみて若干驚きました。どうせなら象以外に五大虚空蔵菩薩坐像の動物もグッズがあればいいのに…とも思いましたが、需要が少ないですかね。
by きゅう (2019-04-15 00:53) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
アタシですらたっぷり2時間かかりましたから
きゅうさんの場合やはり5時間コースかも知れませんね。
お買い物の時間も含めてたら6時間?!(買い物に1時間もかけないって?笑)。

箸置き、帝釈天の象さんの他にもいくつかありましたよ。
多分ですが、五大虚空蔵菩薩の金剛虚空蔵の獅子と
持国天立像に踏んづけられてる邪鬼があったような気がします。
(違ってたらスミマセン)。

by 梅屋千年堂 (2019-04-16 23:16) 

きゅう

GW明けに行ってきましたが、やはり5時間コースでした。立体曼荼羅はいつも見える方向が決まっているので、後ろはもちろん明王は向かって右側からもじっくりと観察していたらこんな時間になりました。
また仏像にわずかに残っている顔料も探しながら。

照明の関係もありますが、それぞれ心なしか綺麗になって(笑)。
帝釈天もいつもと違う方向からじっくり見たいのですが、カメラマンが多すぎて最前列で単眼鏡でじっくりとはいかないので、iPhoneを構えて撮影をするふりをしながらじっくりとズームしたりして…。後から見たら50枚くらいいろいろ写真がありました(それも部分的なアップ)。

五大虚空蔵菩薩坐像の孔雀が真横から見ると、改造バイクのシートの背もたれに見えたのは私だけでしょうか?

危険地帯の買い物は図録、ポストカード数種、象の箸置き、クリアファイル(欲しい明王と間違えて買ってしまった…)、大型カードセット、前売りで買った帝釈天といったところです←結構踏みとどまりました(笑)。
by きゅう (2019-05-18 01:09) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
うわ〜5時間ですか!お疲れ様でした。

帝釈天の周囲では、係員の方が
「写真撮影の方は、鑑賞される方を優先してくださいますようお願いします」と
しきりにおっしゃってましたが、あの状況下で
スマホやカメラを構える方々の前に立ちはだかるのは
かなり勇気がいりますよね(^^;。

>>五大虚空蔵菩薩坐像の孔雀
確かに…(^m^)。
ステッペン虚空菩薩「ワイルドでいこう!」って感じでしょうか(笑)。

今日トーハクのメルマガを読んでいたら
来場者30万人突破に感謝を込めての
帝釈天騎象像フィギュアプレゼントなんて企画があったので
思わず応募してしまいました。
当たってもどこに飾るんだ?という気もしますが(笑)。

by 梅屋千年堂 (2019-05-20 23:45) 

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