SSブログ

国宝 曜変天目@MIHO MUSEUM【2】 [EXHIBITION]

順路は無視して、先ずは曜変天目へ一直線。

考えることは皆同じのようで
前に並んでいた人達も手前の展示には目もくれず(^^;、
お目当ての展示室へと早歩き。
この人たちについていけば自動的に曜変天目のところに行かれるだろうと
ちゃっかり後を追っていくアタシ。

あった!。あれだ!。

えらく照度の落とされた一角に、一辺1mあるかないかのガラスケースがあり
その中心に、黒っぽい器が置かれているのがぼんやりと見えた。
ガラスケースに近づくために列が出来てはいるが、それほど長くはない。
みんなかなりじっくりと時間をかけて鑑賞しているので
なかなか進まないけれど、そこはあまり気にならない。

そうだ、待ってる間に単眼鏡を出しておこう…
と単眼鏡を巾着袋から取り出した時に、キャップを床に落としてしまった。
ところが足元が真っ暗で…ホンットに真っ暗で
キャップがどこに転がっていったのかさっぱり見えない(O_O)。
係員の方に、足元を照らしてもらおうと思ったが
こういう時に限って近くに係員さんがいない(-_-;。

そうこうしているうちに、徐々に眼が暗闇に慣れてきて
無事、キャップは回収することが出来たのだけど、
それにしても暗い…。
作品保護のためなのかも知れないけれど、それにしたって暗すぎる(^^;。

いよいよ順番がきて、ガラスケースに貼り付くように曜変天目を凝視…。
照明が暗いせいなのか、思っていたよりも地味だ。
曜変天目の特徴とも言える斑紋も小さめで、
他の2つの曜変天目と比較してかなり大人しめの印象。

外側はどんな景色なのだろうと更に目をこらすも
上からの弱い照明が当てられているのみなので、まったくわからない。
内側の茶碗の底の部分は、身長約160cmのアタシが背伸びをして
なんとかやっと見える程度。
う〜ん、もうちょっと低い位置に展示して欲しかった(^o^;。

龍光院の曜変天目は、国宝指定されている3つの曜変天目の中で
最も「渋い」。そして「深い」。
2015年に静嘉堂文庫の曜変天目を観た時に
「藤田美術館のものは《宇宙》や《銀河》ならば
 静嘉堂のものは《海底》、そんな感じがした」
と、その時のブログ記事に書いていたのだけど
龍光院の曜変天目は、静嘉堂の《海底》よりももっと深い《深海》…
そんな印象を持った。



最大の目的であった曜変天目を観てしまったら、一気に気が抜けた(^o^;。
最初に戻って他の展示を観始めたのだけど、なんだかちっとも頭に入ってこない。

そもそもこの展覧会は《大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋》というタイトル。
京都紫野にある大徳寺の塔頭のひとつである龍光院は
黒田長政が、父である黒田孝高(官兵衛・如水)の菩提を弔うために
江月宗玩を開祖として1606年に建立。
江月宗玩は堺の豪商で茶人もあった天王寺屋・津田宗及の次男坊であったため
その天王寺屋に伝わる名宝が龍光院に伝わっているらしい。

おそらく曜変天目同様、
滅多にお目にかかることのできないお宝ばかりが集結し、
展示されている貴重な展覧会だと思うのだけど
いかんせん曜変天目にエネルギーの殆どを持ってかれて脱力状態(^^;。

そんなボーっとした頭でも「おっ!」と感じるところがあったのは
・「油滴天目 附 螺鈿唐草文天目台(天字印・分銅形印)」
・「盆石 銘 大残雪」
・「黒田孝高像」春屋宗園賛
・「黒田長政像」江月宗玩賛
・「書院襖絵(叭々鳥図)」狩野探幽筆
このあたり。

時間がなくなると困ると思って、今回音声ガイドは借りなかったのだけど
今思うと借りておけば良かったかなぁと少しだけ後悔。


以上、春季特別展『大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋』は北館での展示。
南館では『永遠の至福を求めて』『MIHO MUSEUM 世界の古代美術』という
コレクション展が開催されている。
こちらの展示でも観ておきたいものがあった。

それはMIHO MUSEUM所蔵の耀変天目茶碗である。
この茶碗を「曜変」と呼べるのかについては賛否あるようだが
こちらは重要文化財に指定されている。

MIHO MUSEUMのWEBサイトによれば
「永遠の至福を求めて −ユーラシアの彩薬陶器−」というコーナーに
展示されているというので、南館へ移動して探してみたところ
さきほど観た国宝の曜変天目とは比べものにならないほどの
明るい照明に照らされて展示されていた(・o・)。

国宝に指定されている三碗に比べると斑点も小さめで
油滴天目っぽい感じもあるけれど、その小さな斑点は虹色に輝いていて
国宝の三碗よりもカラフルな印象だった。

これで3つの国宝+1つの重文の曜変天目全てを観たことになる。
コンプだ!バンザーイヽ(^。^)丿(笑)。

国宝の三碗の中で、どれが一番好きかと訊かれたら
アタシは藤田美術館の曜変天目がいい。濃いめの色合いが好きだ。


残りの展示はぶら〜っとしながらサラ〜ッと鑑賞。
面白かったのは北館の方は日本人ばかりだったのに
南館の方は外国人ばかりだったこと。

最後はミュージアムショップ。
せっかく長い道程を経てやってきたので、何かしら買って帰ろう。

今回展示された曜変天目のポストカードなんてないかなぁ…
過去に観た藤田美術館と静嘉堂文庫の曜変天目のポストカードと
並べて比較出来るような…

な〜んて思っていたら、そんな欲求を1枚で満たしてくれる
こんなクリアファイルが!(♥▽♥)。
11_clearfile.jpg


2019年「国宝 曜変天目」三碗同時期公開記念クリアファイル!。
12_clearfile.jpg
こうしてみると、それぞれが異なる個性を持っていて
それぞれに素敵だなぁとタメイキが出る。



さて、気が済んだのでそろそろ下山しようかとエントランスホールへ。

窓の外の景色を眺めつつ、
つくづく凄い場所に凄い美術館を作ったものだ…と改めて思う。
07_landscape.jpg


さ、帰るか。
08_return.jpg


09_tunnel.jpg


アプローチロードの両側は枝垂れ桜。まだ蕾は固い。
10_shidarezakura.jpg
満開になった時にはさぞかし壮観だろう。
そんな眺めを観てみたいけど…
その時の混雑具合を想像しただけで眩暈がしてきた(◎_◎;)。


12時に美術館を出発するバスに乗って下山。
このあとは石山駅で大津の友人と合流して、京都で遅めのランチを楽しむ予定。




《TO BE CONTINUED...つづく》
コメント(4) 

コメント 4

なき

曜変コンプリートおめでとうございます!
幻の4つ目?も含めてのコンプリートは素晴らしいです。
今年も曜変に会うチャンスがあるのは本当に嬉しく、会えるのが楽しみです。

ラジオのalfee三昧も、夜勤明けの放送なんで全部聴く自信はないですが
すごく楽しみですね!
by なき (2019-03-31 18:09) 

梅屋千年堂

>なきさん
どんなに些細なことでも
目標を達成したり、夢が叶ったりというのは嬉しいものですね。
今回のMIHO MUSEUMでの展示で曜変天目コンプリートを達成した人は
多かったんじゃないかと思います。

ALFEE三昧、録音しておいて
毎日ちょっとずつ味わうのもまたオツなのではないでしょうか。
何か1曲リクエストしようとは思っていますが
いざとなると何をリクエストしたらよいのやら…(^^;ゞ。

by 梅屋千年堂 (2019-03-31 22:03) 

こたろう

レポありがとうございました!
初めての場所、しかも遠くの美術館のおおまなか時間がわかったので助かりました!
その日はもう奈良に行って夕ご飯。と思っていたのですが、京都でゴハンでも良いかなぁ。早くみたいなー。
コンプリート目指して、世田谷にも行けるようにスケジューリングしまぁす(^O^)

ライブはチケット運がほぼ全滅なのに、今年は美術館ツアーでお出かけすることがホントに多い年になりそうです(^◇^;)
by こたろう (2019-04-07 09:38) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
MIHOと奈良博のハシゴ、贅沢で素敵な1日になりそうですね。
おそらくそういう計画を立てている方は多いでしょうから
MIHOで見掛けた人を奈良博でも見掛けた…なんてこともありそうですね。

どちらも混雑しているとは思いますがじっくり堪能してきてくださいね。
そしてご希望のチケットが手に入るように祈っております!。

by 梅屋千年堂 (2019-04-08 23:22) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。