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生誕110年 東山魁夷展 [EXHIBITION]

9月に京都でも観たけれど…

それが思っていた以上に良かったのと
もう一度ひとりでゆっくり観てみたかったのと
音声ガイドを聴きながら観てみたかったのと
唐招提寺御影堂の障壁画をじっくり観てみたかったのとで
国立新美術館での東京展も観に行くことにした。

本当は、この日(10月31日)は
国立西洋美術館のルーベンス展を観に行こうかと思っていたのだけど
夕方には小田さんのコンサートが控えているし
その前にルーベンスとは…
あまりに濃い、あまりにヘヴィ、あまりにコッテリ(笑)。

もう少し、ライトな気持ちで観られる展覧会がいいなぁ…
そうだ!東山魁夷にしよう!。
京都で既に一度観ているから全部の作品を万遍なく観る必要もない。

というわけで、国立新美術館。
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別の展示室では『ピエール・ボナール展』をやっているけれど
こちらはさほど興味がないので、今回はスルー。

そういえば、京都国立近代美術館で東山魁夷展を観た時も
小田さんのコンサートとセットだったけ(^o^;。

その京都展も相当混んでいたが、東京展ももちろん混んでいる(◎_◎)。
たださっきも書いたように、一度は観ているので
自分が「もう一度観ておきたい」と思う作品のみに照準を合わせ
他の作品については遠巻きに観るだけで十分だ。

「もう一度観ておきたい」と思っていたのは
『残照』『道』『秋翳』『夕星』『白い朝』
それと《唐招提寺御影堂障壁画》。

音声ガイドを聴いていて「へぇ〜」と思ったのは『道』。
これは魁夷の心象風景だろうとばかり思っていたのだけど
実は青森県の種差海岸に実在する道がモチーフになっているのだそう。
実際にその道からは灯台は樹木などが見えるのだけど
そうした余計なものを取っ払って描いたのが『道』なのだそうだ。

京都ではそれほど印象に残らなかったが「あ、これ好き」と思ったのが
『雪降る』『白夜光』『窓』『晩鐘』。
特にドイツのフライブルクを描いた『晩鐘』は
雲間から差し込むかすかな光の筋がとっても美しい。

そして!!!、唐招提寺御影堂障壁画!。
実際の御影堂と同じレイアウトで再現された迫力満点の展示。
京都では宸殿の間に描かれた『濤声』に圧倒されたけど
どういうわけか、この日は違った。

上段の間の『山雲』。
何度も何度も日本に渡ろうとしては失敗を繰り返した鑑真。
やっと日本に辿り着いた時には目が見えなくなっていた。
そんな鑑真が観たかったであろう日本の風景を描いたとされる『山雲』。
三方向をこの『山雲』に囲まれて、思わず立ち尽くしてしまった。
で、どういうわけだか泣きそうになった。

そして鑑真が懐かしんだであろう祖国の風景を描いたとされる『揚州薫風』。
これも凄かった。水墨画なのに、なんだか絵の中に入っていけそうな感じ。
そうなのだ。魁夷の絵ってこれに限らず「中に入っていけそう」な錯覚に陥る。
額縁をよっこらしょと跨いで、そちら側の世界に行けそうな気がしてくるのだ。

晩年の作品『行く秋』『木枯らし舞う』は
80歳を越えてから描いたとは思えない緻密さ。

最後は未完の絶筆『夕星』。
これは一度観たら忘れられない作品だな、と思った。


いやー…やっぱり行ってよかった東京展。
御影堂は観られないけど、
今年の年末は唐招提寺に行こうかな、なんて思った。

02_photospot.jpg
(↑これは出口にあったフォトスポット)。



自分土産はポストカード。
ただ残念ながら『山雲』のポストカードはなかったので
ちょっと大きめサイズの額絵を購入。
05_postcard.jpg
でも、当たり前だけどポストカードも額絵も
本物の繊細さは残念ながら出せてない(-_-;。


それと《空也 空いろ》とのコラボ「ほし&クッキー」。
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スプーン型のクッキーに、あんこをつけていただくもの。
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当然あんこの方が余るわけなんだけど
瓶入りのあんこは、トーストに塗っても
紅茶やコーヒーに溶かしてもOK(!)とのこと。

紅茶やコーヒーに…はどうかと思うけど(^^;
今度「あんトースト」にチャレンジしてみよ〜っと。
コメント(13) 

コメント 13

こたろう

私も今日行ってきましたー(≧∀≦)
はぁ、ホントに満足な展覧会でした。
音声ガイダンスで様々な再発見をし
楽しみにしていた花明かり、冬華ほか、絵をじっくり見たので、終わった後はもうぐったり(^◇^;)

夕星、私も少し涙が出ました。
この景色は長野善光寺近くの長野県信濃美術館、東山魁夷館から見ることができますよー

数年前にみた東山魁夷展と違ったのが、デッサンが少なかったことでしょうか。
あと京都会場のみの作品も多かったのですね。京都でみた梅屋さん、うらやましー!

図録等、グッズをがっつり買ってしまってお財布は寂しいのですが、ココロはウキウキな私です
by こたろう (2018-11-03 23:35) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
昨日はかなり混んでいたのではないでしょうか。
お疲れになったかも知れませんが、それはきっと「満足疲れ」ですね(笑)。

>>京都でみた梅屋さん、うらやましー!
でもどの作品が京都限定だったのか、
まったく思い出せない♪ダメなわ〜た〜しね〜〜〜です(笑)。
やっぱりアート鑑賞は一人でじっくり…が性に合ってるかも(^^;ゞ。

図録、アタシも買おうかどうしようか結構迷ったんですが
次の休みにムンク展を観に行くことになっていて
それが図録&お土産付きのプレミアムナイト鑑賞券なんでグッと堪えました。
(だって図録ってかさばるんですもの←もう置き場所が限界…^^;)。

by 梅屋千年堂 (2018-11-04 22:17) 

おかん

東山魁夷、5年前の夏、長野の旅行先で観ました~。

京都の話題で、恐縮です。
先週の日月曜の1泊2日、夫の還暦祝いで家族5人都合を合わせ京都旅行に行ってきました。初日に伏見稲荷→東山の三ケ寺巡り(東福寺、智積院、泉湧寺)→高台寺。翌日は金閣寺→渡月橋→トロッコ列車→二条城とだいぶ頑張りました。初日、娘の携帯では3万歩となってました。

by おかん (2018-11-05 14:24) 

梅屋千年堂

>おかんさん
先のこたろうさんのコメントにも登場している
長野県信濃美術館・東山魁夷館、どんなところなんだろう?と
ググってみました…ら、現在改修・改築工事のため絶賛休館中でした(^o^;。
よく考えたら、だからこその大規模な東山魁夷展ですよね。
魁夷館のリニューアルオープンは来秋とのこと。
いつか行ってみたいと思います。

京都、ずいぶんと頑張りましたねー(◎_◎)。
どうすれば(どの交通手段を使えば)こんなに廻れるのでしょう?!。
なにはともあれお疲れ様でした(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2018-11-05 21:46) 

こたろう

今更ですが、図録とパンフを交互に見て読書の秋しています

東山魁夷館は善光寺の裏ですー
昔アルフィーの御三方がキャッチボールをして怒られた善光寺の裏ですぅ
ステキなところですので、来秋ぜひお出かけください

by こたろう (2018-11-14 21:21) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
昨日コメントを頂いていたのを見落としておりましたm(_ _)m。

図録とパンフで読書の秋と芸術の秋の一石二鳥ですね。
東山魁夷館、善光寺の裏…と_φ(・_・メモメモ。
長野でのライブのついでにいつか行けたらいいなぁ、と思います。

by 梅屋千年堂 (2018-11-15 12:33) 

おかん

東山魁夷に行った知人がクリアファイルを買ってきてくれました、
嬉しい~!(^^)!

京都は8:58着でした。タクシーは全く使わず電車バス移動で歩けるところは歩きました。奈良線伏見稲荷、1駅戻って東福寺、智積院、泉湧寺の三ケ寺巡りは歩きました。宿にチェックインし、私以外の家族は抹茶ソフトを食べに出かけました。夕食後、八坂神社→高台寺ライトアップで帰宿。翌朝早めの朝食を済ませ清水五条駅から電車で京都駅へ。トロッコ列車の切符を受け取り、荷物をロッカーに入れました。金閣寺も渡月橋も竹林も混んでいました、もうちょっとゆっくり歩きたかったな。5人乗りタクシーが高いので電車移動にしましたが全部の交通費×5と考えればタクシー代金の方が安かったのかも、と帰ってきてから思いました。
by おかん (2018-11-15 16:57) 

YAYOI

さっき行ってきました!
もう、素晴らしい!の一言しかありません。
出口近くで横にいた方がお連れさんに『ここを出たくない』とおっしゃっていたのに思わず頷いてしまいました。

個人的には『秋翳』『映像』『冬華』『夕星』そして唐招提寺の『楊州薫風』が特に好きです。
あと有名な白馬シリーズも。
白馬の絵はどこかで見た気がすると思ったら、19歳頃、某デパートで絵柄に惹かれて買った蓋付きミラーの絵でした。

あと京洛四季スケッチの『東福寺の庭』
お庭に杉ゴケと石畳を市松模様に配置したお庭の絵。昔紅葉を見に行ったとき、あのお庭が気に入って写真撮ってきてました(笑)
by YAYOI (2018-11-17 12:41) 

梅屋千年堂

>おかんさん
うぉ〜…なんだかスゴイですね。
説明して頂いても、とても1泊2日で回ったとは思えません(‥;)。

京都、行きたいなぁ〜(9月に行ってますが…^^;)。
今行ってみたい京都は、将軍塚青龍殿、大報恩寺、
スマート珈琲店、グリル小宝です(笑)。




>YAYOIさん
YAYOIさんのブログの記事も拝見しました〜。
『揚州薫風』いいですよね〜。
水墨画なのに、なんなんでしょうあの臨場感は。

鑑賞後に立ち寄られた紅茶屋さんもめっちゃ気になりますー(笑)。
何度か歩いたことのある道なのに、気付いていませんでした(・o・)。
国立新美術館へ行くと、館内のカフェ&レストランしか眼中になかったのですが
今度はこちらも覗いてみようと思います。

by 梅屋千年堂 (2018-11-22 20:04) 

YAYOI

私のブログも見ていただいたそうで、ありがとうございます[るんるん]
あのお店は紅茶専門店としては普通ですから、あまり期待しないで下さいね[あせあせ(飛び散る汗)]
紅茶とケーキをゆっくり楽しむなら、銀座本店か新宿店(伊勢丹隣)のカフェもあるマリアージュフレールがオススメです。
by YAYOI (2018-11-24 12:36) 

梅屋千年堂

>YAYOIさん
いつもコメントにリンクを貼って頂いているので
実はちょいちょいお邪魔しています(^^;ゞ。
ねこ様の画像にほっこりさせていただいてます。

マリアージュフレール…若干敷居の高さを感じないではないですが
(だ、だ、だって紅茶が千円って!( ̄口 ̄;))
いつか所持金多めの時に、勇気を出して入ってみようと思います(笑)。

by 梅屋千年堂 (2018-11-24 22:25) 

おーちゃん

やはり東山魁夷はよいですね。
人が立ち入ってはいけない静謐さ。どこかで見たことがあるようで、でも実際は人知れず存在しているような景色。心が落ち着きます。

信濃美術館には20年くらい前に行っていて、他でも結構見ていると、やはりポストカードでは物足りない・・・(いっぱい持ってますが)。

多用される緑青の絵を見ていたら、アルフィーのライティングにこんな色あったな~と感じたのですが、いかがでしょう?
by おーちゃん (2018-12-02 12:49) 

梅屋千年堂

>おーちゃんさん
>>アルフィーのライティングにこんな色あったな~
今、何気なく手元にあったPlayer 10月号(王子が表紙の号)を観たら
まさにそんな色でした。
“TIME AND TIDE”の照明も、ブルー&グリーンのイメージですよね。

緑青(青緑?)って素敵な色ですよね。
「魁夷ブルー」とか「魁夷グリーン」なんてインクがあったら
思わず買ってしまいそうです(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2018-12-02 21:47) 

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