深堀隆介展 平成しんちう屋 [EXHIBITION]
観た後に、金魚を飼いたくなる(かも知れない)展覧会。
都内の美術館・博物館は、どこへ行ってもきっと混んでいるに違いない…。
そう思って昨日は横須賀美術館、そして今日は平塚市美術館へ。
平塚美術館を訪れるのは初めてだ。
横浜市営地下鉄で戸塚まで行き、東海道線に乗り換えて平塚へ。
そこから徒歩で20分…なんだけど、
この暑さの中で20分も歩いたら、美術館に辿り着く前に倒れそうなので
駅前から神奈中バスに乗って5分強。
到着。
今、ここで開催中なのが
『金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋』という展覧会。
深堀隆介さんは、1973年生まれのアーティスト。
器の中に透明樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵の具で
少しずつ金魚を描き、それを幾層も繰り返すことで
まるで生きた金魚を樹脂の中に閉じ込めたように見えるという超絶作品で
近年注目を浴びているという。
館内に入り、さぁチケットを買おう!と売場に向かっていくと…
ななななんと!!!目を疑うほどの長蛇の列( ̄口 ̄;)。
カウンターから伸びる列は、そのまま角を曲がり
更に階段を上がって2階まで!!!。
なっ、なんでこんなに混んでるの?!(◎_◎)。
確かに面白そうな展覧会ではあるけれど、なにこの長蛇の列!。
(NHK Eテレの『日曜美術館』のアートシーンのコーナーで紹介されてたけど
それだけが混雑の理由ではあるまい…)
チケット買うのにこれじゃぁ、きっと中も相当混んでいることだろう。
若干憂鬱な気分になりながらも
ここまできて引き返すわけにもいかず、列の最後尾に並ぶ。
チケット売場の窓口はひとつだけみたいだし、
いったいどれくらい並んだらチケットが買えるんだろう?。
皆目見当が付かない。
1時間くらいかかるかも?と思っていたけれど、30分ほどでチケット売場に到達。
フと、目線を上げると…アラ!アナタたち!!!。
昨日、横須賀でアナタたちの仲間にたくさん会ってきたとこだよ!。
ようやくチケットを手にして、さぁ展示を観よう!
という予定だったんだけど、お腹空いたし先に腹拵えを…(^^;ゞ。
というわけで併設レストラン《La Palette(ラ・パレット)》へ。
しかし、レストランも混んでるんじゃないのか?
ここでもまた何十分も待つことになるのでは…?
でもまぁ時間はたっぷりあるし、それはそれでいっか。
などと思いながら、レストランの中に入っていったら
こちらは思いのほか空いていて、あっという間に席に案内された。
このレストランは、フレッシュでヘルシーな野菜料理がテーマだそうで
全てのランチメニューにオーガニックサラダが付いてくる。
地元生産者の方々が丹精込めて作ったお野菜なんだそうだ。
ならば、ってんでパスタランチの中でも野菜たっぷりの
「夏野菜とベーコンのジェノベーゼ トマト風味」を選択。
ハァ〜、うまい…(* ̄▽ ̄*)。
最後にジェノベーゼのソースが余っちゃってなんだか勿体ない。
あぁ〜…パンがあれば、このソースを吸わせて食べるのに〜。
デザートはレモンのシャーベット。そしてオーガニックコーヒー。
ゴチソウサマデシタ。
…って、なんだか食レポみたいになってるけど、
そうではなくてメインはあくまで展覧会。
食事している間に、少しは空いてくるんじゃないかと
淡い期待を抱いていたが、チケット待ちの列はさっきと同じ…。
こりゃやっぱり中も激混みだわ、そうに違いない。
覚悟を決めて展示室の中に入っていくと…あれ?そうでもない(・o・)。
確かに空いてはいないが、作品が観られないというほどではない。
なにゆえこういうことになっているのか分からなかったが、
周りの人達の動向を観てみると、みんな案外鑑賞にかける時間が短い。
作品の前に立ち止まってじっくり観ている人は少なく、
サラ〜ッと観てどんどん進んで行く人が多い。
アタシなんて貧乏性だから
「あんなに並んだんだから入り浸ってじっくり観てってやる!」
なんて思っちゃうんだけど(^o^;。
この展覧会では、深堀隆介さんの初期の立体作品から
最新作までの約200点が展示されている。
作品の9割(いやそれ以上?)が金魚関連で、
立体作品の他、ドローイングも多数展示されている。
メインは透明樹脂を用いた立体作品。
面白いのは、深堀さんの技量の進化が見てとれること。
2000年代の作品と、ここ数年の作品を比較すると
明らかに画力が上がっているし完成度も桁違い。
初期の頃は、失礼ながら「あ、これは明らかに《絵》だな」と
思えるようなものも少なくないが
ここ数年の作品は、そこに生きている金魚がいるとしか思えない。
でも「生きている」ように見えるのに
まるで時間が止まっているかのように決して動かない。
今後、深堀さんの作品がどんな風に更なる進化を遂げていくのか
想像するだけでもなんだかワクワクしてくる。
ペインティングの方は、大きな画面に大きな金魚を描いた作品が圧巻。
丹念に描いたと頭部や胴体とは対照的に
おそらく幅の広い刷毛で一気に描いたと思われる優雅な尾びれ。
金魚ってこんなに魅力的な生き物だったのか。
これらの作品を観ていると…なんだか金魚を飼いたくなってくる(笑)。
展示の最後に登場する『平成しんちう屋』という
インスタレーション作品のみ撮影可ということで、
みんな金魚屋の屋台に群がる子供たちのように、
作品にかぶりついて写真を撮りまくる(アタシもだけど^^;)。
ペインティングも…。
これなんて写真で観ると、桶の中の金魚を撮ったようにしか見えないけれど
実際は金魚も水も静止したまま微動だにしない。
水底に金魚や花びらの影が映って、リアリティがハンパないけどリアルじゃない。
これなんて、水面のゆらぎまで表現されちゃってる。
こんなのもある。
桶やいけすに入ってるものは、なんとなく製作工程がイメージできるけど
こうなるともう一体どうなっちゃってるの?と
頭がハテナマークでいっぱいになる。
いやー…いいもの観た。
平塚まで来て、30分並んだ甲斐があった。
思わずこれ、買った。
図録…美術館でも売ってたけど、
Amazonにあったので、そっちでポチッと。
-----------------------------------
《オマケ》
美術館の窓も金魚。
平塚市美術館…レストランも含め、かなり居心地のいい美術館だった。
機会があったら是非また来よう。
(でも横須賀美術館といい、平塚市美術館といい、
居心地のいい美術館ってなんでちょっと不便な場所にあるんだ…)。
そして、駅ビルで買った平塚土産(笑)。
《湘南クリエイティブガトー 葦 [ashi]》の
「卵とチーズ」および「湘南バニラポテト」。
キンキンに冷やして食べたらとっても美味しかった〜(*^^*)。
都内の美術館・博物館は、どこへ行ってもきっと混んでいるに違いない…。
そう思って昨日は横須賀美術館、そして今日は平塚市美術館へ。
平塚美術館を訪れるのは初めてだ。
横浜市営地下鉄で戸塚まで行き、東海道線に乗り換えて平塚へ。
そこから徒歩で20分…なんだけど、
この暑さの中で20分も歩いたら、美術館に辿り着く前に倒れそうなので
駅前から神奈中バスに乗って5分強。
到着。
今、ここで開催中なのが
『金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋』という展覧会。
深堀隆介さんは、1973年生まれのアーティスト。
器の中に透明樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵の具で
少しずつ金魚を描き、それを幾層も繰り返すことで
まるで生きた金魚を樹脂の中に閉じ込めたように見えるという超絶作品で
近年注目を浴びているという。
館内に入り、さぁチケットを買おう!と売場に向かっていくと…
ななななんと!!!目を疑うほどの長蛇の列( ̄口 ̄;)。
カウンターから伸びる列は、そのまま角を曲がり
更に階段を上がって2階まで!!!。
なっ、なんでこんなに混んでるの?!(◎_◎)。
確かに面白そうな展覧会ではあるけれど、なにこの長蛇の列!。
(NHK Eテレの『日曜美術館』のアートシーンのコーナーで紹介されてたけど
それだけが混雑の理由ではあるまい…)
チケット買うのにこれじゃぁ、きっと中も相当混んでいることだろう。
若干憂鬱な気分になりながらも
ここまできて引き返すわけにもいかず、列の最後尾に並ぶ。
チケット売場の窓口はひとつだけみたいだし、
いったいどれくらい並んだらチケットが買えるんだろう?。
皆目見当が付かない。
1時間くらいかかるかも?と思っていたけれど、30分ほどでチケット売場に到達。
フと、目線を上げると…アラ!アナタたち!!!。
昨日、横須賀でアナタたちの仲間にたくさん会ってきたとこだよ!。
ようやくチケットを手にして、さぁ展示を観よう!
という予定だったんだけど、お腹空いたし先に腹拵えを…(^^;ゞ。
というわけで併設レストラン《La Palette(ラ・パレット)》へ。
しかし、レストランも混んでるんじゃないのか?
ここでもまた何十分も待つことになるのでは…?
でもまぁ時間はたっぷりあるし、それはそれでいっか。
などと思いながら、レストランの中に入っていったら
こちらは思いのほか空いていて、あっという間に席に案内された。
このレストランは、フレッシュでヘルシーな野菜料理がテーマだそうで
全てのランチメニューにオーガニックサラダが付いてくる。
地元生産者の方々が丹精込めて作ったお野菜なんだそうだ。
ならば、ってんでパスタランチの中でも野菜たっぷりの
「夏野菜とベーコンのジェノベーゼ トマト風味」を選択。
ハァ〜、うまい…(* ̄▽ ̄*)。
最後にジェノベーゼのソースが余っちゃってなんだか勿体ない。
あぁ〜…パンがあれば、このソースを吸わせて食べるのに〜。
デザートはレモンのシャーベット。そしてオーガニックコーヒー。
ゴチソウサマデシタ。
…って、なんだか食レポみたいになってるけど、
そうではなくてメインはあくまで展覧会。
食事している間に、少しは空いてくるんじゃないかと
淡い期待を抱いていたが、チケット待ちの列はさっきと同じ…。
こりゃやっぱり中も激混みだわ、そうに違いない。
覚悟を決めて展示室の中に入っていくと…あれ?そうでもない(・o・)。
確かに空いてはいないが、作品が観られないというほどではない。
なにゆえこういうことになっているのか分からなかったが、
周りの人達の動向を観てみると、みんな案外鑑賞にかける時間が短い。
作品の前に立ち止まってじっくり観ている人は少なく、
サラ〜ッと観てどんどん進んで行く人が多い。
アタシなんて貧乏性だから
「あんなに並んだんだから入り浸ってじっくり観てってやる!」
なんて思っちゃうんだけど(^o^;。
この展覧会では、深堀隆介さんの初期の立体作品から
最新作までの約200点が展示されている。
作品の9割(いやそれ以上?)が金魚関連で、
立体作品の他、ドローイングも多数展示されている。
メインは透明樹脂を用いた立体作品。
面白いのは、深堀さんの技量の進化が見てとれること。
2000年代の作品と、ここ数年の作品を比較すると
明らかに画力が上がっているし完成度も桁違い。
初期の頃は、失礼ながら「あ、これは明らかに《絵》だな」と
思えるようなものも少なくないが
ここ数年の作品は、そこに生きている金魚がいるとしか思えない。
でも「生きている」ように見えるのに
まるで時間が止まっているかのように決して動かない。
今後、深堀さんの作品がどんな風に更なる進化を遂げていくのか
想像するだけでもなんだかワクワクしてくる。
ペインティングの方は、大きな画面に大きな金魚を描いた作品が圧巻。
丹念に描いたと頭部や胴体とは対照的に
おそらく幅の広い刷毛で一気に描いたと思われる優雅な尾びれ。
金魚ってこんなに魅力的な生き物だったのか。
これらの作品を観ていると…なんだか金魚を飼いたくなってくる(笑)。
展示の最後に登場する『平成しんちう屋』という
インスタレーション作品のみ撮影可ということで、
みんな金魚屋の屋台に群がる子供たちのように、
作品にかぶりついて写真を撮りまくる(アタシもだけど^^;)。
ペインティングも…。
これなんて写真で観ると、桶の中の金魚を撮ったようにしか見えないけれど
実際は金魚も水も静止したまま微動だにしない。
水底に金魚や花びらの影が映って、リアリティがハンパないけどリアルじゃない。
これなんて、水面のゆらぎまで表現されちゃってる。
こんなのもある。
桶やいけすに入ってるものは、なんとなく製作工程がイメージできるけど
こうなるともう一体どうなっちゃってるの?と
頭がハテナマークでいっぱいになる。
いやー…いいもの観た。
平塚まで来て、30分並んだ甲斐があった。
思わずこれ、買った。
図録…美術館でも売ってたけど、
Amazonにあったので、そっちでポチッと。
-----------------------------------
《オマケ》
美術館の窓も金魚。
平塚市美術館…レストランも含め、かなり居心地のいい美術館だった。
機会があったら是非また来よう。
(でも横須賀美術館といい、平塚市美術館といい、
居心地のいい美術館ってなんでちょっと不便な場所にあるんだ…)。
そして、駅ビルで買った平塚土産(笑)。
《湘南クリエイティブガトー 葦 [ashi]》の
「卵とチーズ」および「湘南バニラポテト」。
キンキンに冷やして食べたらとっても美味しかった〜(*^^*)。
2018-08-14 23:59
コメント(6)
凄いリアルな金魚ですね。
言われなかったら本物の金魚にしか見えません。
特にビニールに入った金魚、どうやって作ってるんでしょうね?
あと熊の置物が咥えているのも金魚なのが(笑)
ジェノベーゼパスタがめっちゃ美味しそう??
by YAYOI (2018-08-16 09:40)
>YAYOIさん
本当に、これが「絵」だとはにわかには信じられません。
まるで金魚の模型を透明樹脂で固めたように見えますが「絵」なんです。
今日、届いた図録をじっくり読んでみましたが
作者のインタビューを読んで、作品に込められた思いの深さを知り
自分の作品に対する見方もちょっと変化しました。
ここのレストラン、デザートも美味しそうなので
是非ともまた行こうと思っています(^m^)。
by 梅屋千年堂 (2018-08-16 21:14)
暑くて大変だったでしょうが、素敵なお盆休みでしたね。
展覧会を観ていろいろと感じることは私もあるのですが、梅屋さんはとても上手く表現されて伝わってくるので、素晴らしいなあと思います。
カフェやレストランの情報も、とってもありがたいです(*^-^*)
平塚と言えば〔Ashi 〕と思ったら、やはり行かれたのですね。私は焼き菓子しか食べたことないのですが、こういうのも美味しそうですね。
2頭のユニコーンは馬車を引くわけではないんですよね、つい反応してしまいました(^-^;
by ユリコ (2018-08-17 20:48)
>ユリコさん
今回のお盆休みで学んだことは
「結局どこへ行っても混んでいる」でした(笑)。
展覧会で観てきたものや感じたことを文字で表現するのは
ライブのレポートと同じくらい難しいです。
後々自分で読み返したときに思い出せればいいかくらいの
気持ちでやってますが、それでも自分の語彙の乏しさゆえ
頭を抱えてしまうことばかりです。
葦[ashi]は、ラスカの中のお店に行ったのですが
今調べてみましたら、西口に本店があったのですね!。
知っていればそっちに行ったのにー(笑)。
あと、駅の売店で売っていた「しらす煎餅(めんたいこ味)」を
買って帰ったのですが、しらす煎餅なのに
めんたいこの味しかしないという、謎の煎餅でした(・o・)。
by 梅屋千年堂 (2018-08-17 21:07)
以前テレビで深堀さんの特集があり、何気なく観ていたのですが見入ってしまいました。
水の中で金魚が泳いでるとしか見えなくて、絵だなんて信じられませんでした。
実物を自分の目で見るとやはり感動がまた違うでしょうね。
パスタ美味しそうですね(^^)
バジルソース大好きなんですが歯の間に詰まりそうなので、外で食べるのは控えています(^-^;
この写真を見ていたら美味しいパスタが食べたくなりました(^^♪
by ナッキー (2018-08-19 00:04)
>ナッキーさん
最初、チラシの写真だけ観ても何がどうなっているのかよくわからず
それでもなんだか面白そうな展覧会だと思って行ったのですが
実物を観て製作工程を知ったあとでも
一体全体どうなっているのか、ただただ驚くばかりでした。
ジェノベーゼ、バジルの香りがたまらんかったです〜( ̄▽ ̄)。
横須賀、平塚と、二日連続で美味しいパスタにありつけたし
展覧会も良かったしで、ゴキゲンな二日間でした(*^^*)。
by 梅屋千年堂 (2018-08-19 20:58)