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特別展『縄文−1万年の美の鼓動』 [EXHIBITION]

新横浜の三省堂で『音叉』を買ったら、その足で上野の東京国立博物館へ…。

時刻は1正午過ぎ…。
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あっついんだよっっっ!!!。

お腹もペコペコだし、まずはトーハク敷地内の
ホテルオークラ レストラン《ゆりの木》でランチ。

窓際のカウンター席に案内される。
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もう、見るからに暑苦しい夏空。

食べるものは既に決まっている。
「『縄文−1万年の美の鼓動』特別展期間限定メニュー 鹿児島産《黒豚角煮御前》」である。
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縄文時代の出土品は、関東以北で見つかることが多いようなのだけど
なにゆえ鹿児島産黒豚???と不思議に感じたのだけど
鹿児島に「上野原縄文の森」という施設があるから…だろうか。

ま、細かいことは気にせずに…(^^;ゞ
角煮、やわらかくて美味〜〜〜!!!( ̄▽ ̄)。
小鉢の白和えも美味〜〜〜!!!(もっとくれ)。

すっかりお腹いっぱいになったところで、コーヒーとデザート。
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スタッフの方が「◯◯とココナッツのムースです」と
テーブルに置いていってくださったのだが、◯◯が聴き取れず
えっ?!これはもしや(アタシの苦手な)マンゴーでは?!( ̄口 ̄;)
と、一瞬ひるんだが食べてみたら桃だった。


しっかり腹拵えも出来たところで、平成館。
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始まったばかりということもあってか、中は程良い混み具合。

まず最初に…特設ショップから覗いちゃったりなんかして。
「よし、あれとこれとそれを買おう」なんて大体決めてから展示室へ。


展示は6部構成。

第1章は《暮らしの美》ということで、
縄文の人々が日常的に使っていたと考えられる
土器や石器や装身具が展示されているのだけど
この装身具の美しいこと!。
石や動物の骨で作った耳飾や腰飾、貝で作った腕輪など
縄文人の美的感覚が優れていたことがよく解る。


第2章は《美のうねり》
縄文式土器を、前期・中期・後期・晩期と時系列で辿っていくもの。
土器の形状や縄目模様などの装飾が、どのように変化していったのかが
分かり易く説明されている。

中期の縄文式土器として、火焔型土器が展示ケースに入れられずに
つまり「素」のままでダーン!とたくさん並んでいるコーナーがあるんだけど
その迫力たるや!。
「どうだ!俺っちの作ったのスゲーだろ!」と古代の作り手達が
自慢げに話している声が聞こえてきそう。

デザインという点では、長野県富士見町から出土した深鉢形土器も洒落ていた。


第3章は《美の競演》と題して、火焔型土器とほぼ同時期に作られた
世界各国の土器を比較するコーナー。
中国だったり、パキスタンだったり、イラク、シリア、レヴァント、エジプト、
キプロス、トルコ、ブルガリア、スイスなど…いろ〜んな土器が集合しているが
それらと比べて縄文の火焔型土器のデザインが
いかに個性的で図抜けているかを思い知らされる。…縄文人、オソルベシ。


第4章が今回の目玉とも言える《縄文美の最たるもの》。
赤い壁に囲まれた「縄文国宝室」である。
今回の展覧会では、5件の国宝土偶が全て展示されるのだけど
7月30日までは「中空土偶」「縄文の女神」「合掌土偶」のみ。
7月31日から「縄文のビーナス」と「仮面の女神」が加わるらしい。
これら5件の国宝土偶は2014年の国宝展でも見ているので
その時ほどの感動はないが、やはりずっと見ていても飽きが来ない。

それよりもなによりも、アタシが観たかったのは
新潟県十日町市 笹山遺跡から出土した「国宝 火焔型土器」である。
教科書なんかに出てくる、おそらく一番有名な縄文式土器。
と言っても、縄目模様はなくて装飾は粘度紐をぐねぐねと貼り付けたもの。

王冠型だったり鶏頭冠型だったりする装飾のひとつひとつに何か意味がありそうだし、
いったい何のためにここまで過剰に装飾する必要があったんだろう?と
見れば見るほどいろんな疑問が湧いてくる。
いや〜、カッコイイ。


第5章は《祈りの美、祈りの形》。
もう、夥しい数の土偶や土器が円形の展示室に並んでいる。
展示室に入った瞬間、どこからどの順番で観ていけばいいんだ?と悩むけれど
なんとなくぐるぐる回っているうちに、全部観終わってしまう。

で、ここにいるのが青森県つがる市木造亀ヶ岡出土の「遮光器土偶」である。
大抵の人が土偶と聞いて思い出すのが
まずこの片足のない遮光器土偶だと思うのだけど
このお方は国宝には指定されておらず、重要文化財。

小学生の頃から『木曜スペシャル』で
「この土偶は宇宙人ではないか?」という情報が刷り込まれているので(^^;
この土偶との対面は、なんだかもう宇宙人との第三種接近遭遇みたいな感じ(笑)。
子供の頃はこの土偶が怖くて怖くてたまらなかった。

他には、顔がハート型をした「ハート型土偶」や、体中ブツブツ穴だらけの「刺突文土偶」、
なんだかちょっとウルトラ怪獣にいそうな、
函館市戸井貝塚から出土したちっちゃな「角偶」など、個性豊かな土偶たちも印象的。
そしてこうした土偶のデザインが、人間ぽくなればなるほど
つまり写実性が高くなるほどつまらなくなることがなんだか逆に面白かった。

ここでは動物の形をした土偶もいくつか展示されていて
「猪型土製品」「熊型土製品」「鳥形把手付鉢形土器(通称:鳥さん土器)」
などは、かなりかわいい(^m^)。
その中に「動物装飾付釣手土器」ってのがあって、
ブタみたいな鼻の動物の頭がくっついた器なんだけど
その動物がイノシシともムササビとも言われていて、はっきりわかっていないとのこと。
でもアタシ的には「いやいや、これどう見てもコウモリでしょ」って感じなんだけど
…違うのかね(^^;。

あと、最後の方に展示されていて思わずグッときてしまうのが
「手形足形付土製品」と呼ばれる出土品。
小さな子供のかわいらしい手形や足形が押されていて、
おぉ〜縄文時代の子供の足形か〜などと、
縄文人をすごくリアルに感じられるものなのだけど、
その多くは墓から出土しているそうで、幼くして亡くなった子供の形見として
作られたものではないかということを知って、ちょっと胸が苦しくなった。


最後の第5章は《新たにつむがれる美》。
岡本太郎や、柳宗悦、濱田庄司、芹沢銈介といった
現代の作家達が注目した「縄文の美」を紹介するコーナー。

ここの一番最後に、このような撮影スポットがある。
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アタシが縄文文化って面白い、興味深いと感じるのは
いろんな場所から様々な出土品が発見されているのだけど
似たようなデザインの土器や土偶が、そこそこ離れた土地から見つかるところ。
こんなに個性的なものが、いかにして離れた土地まで伝播していったのか。
やっぱりその時々で流行みたいなものがあるのか、
例えば「今のトレンドは火焔型!」とか、
そういうものがどうやって広まっていったのか、
そんなところになにやらロマンみたいなものを感じてしまうのだった。

そして今回の展覧会では、縄文式土器や土偶を
考古学的というよりも、「美」という点から捉えているのが
自分的にはとっつきやすく、親しみやすかった。



で、お約束の自分土産。

特設ショップにはヤバい縄文グッズがいろいろあって、
相当ヤバかったんだけど(^^;、ここはぐぐっと自制して
ポストカード3枚と、盛岡の壱鋳堂が作っている「鉄分補給南部鉄偶」。
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南部鉄偶は展覧会のオリジナルグッズではないのだけど
あんまりかわいかったんでつい…。
使い方がここ↓に出ているんだけど…画像がかなりシュールだ(^m^)。
http://itchu-do.co.jp/product.php?itemid=56

ちなみに一番ヤバいグッズは「アクリルペンライト(ハート型土偶)」。
縄文式LOVE♥LOVE LIGHTって感じだが
いったいこれをいつどこで何に使えと???。
(どんなものか気になる方は展覧会公式サイトをご覧下さい^^;)。
コメント(9) 

コメント 9

きゅう

やはり行くなら夏休み前ですかね。
最初はあまり気にならなかったのですが、サイトをチェックしているうちに計画を立て始めました。でも行けるのは8月末になりそうですが。

最初に見たときにペンライトは「どこかで見たような(笑)」でしたね。
ライブに小道具を持って行く人はこれを持って行くと人目を引くこと間違いなしです(その曲があることが前提ですが)。
by きゅう (2018-07-13 01:16) 

YAYOI

南部鉄偶の使い方紹介が凄い!(笑)
会社の昼休みに吹き出しそうになりましたwww
ペンライト…カンレキーズで使ったらだめかなぁ?(笑)
by YAYOI (2018-07-13 12:59) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
おそらく夏休みになると、小中学生の自由研究対象として
今よりも混雑することが予想されます。
今のところテレビなどのメディアでもさほど取り上げられていませんが
今後メディアでの紹介が増えると、混み始めるかも知れませんね。

縄文グッズ…なかなか攻めてますよね(^^;。
このアクリルペンライト、
売場のポップにだったか「夜のお散歩に…」などと書かれていましたが
これを懐中電灯代わりに散歩?!…アヤシ過ぎる!と思ったアタシです。




>YAYOIさん
一応置物として使おうと思って買った鉄偶ちゃんですが
こうなったら我が家のぬか床に入れてみようかなぁ。

>>ペンライト
残念ながら(?)、色がピンク1色しか出ないみたいなんです。
マジでこれの使い道を、誰かアタシに教えて欲しい(笑)。

by 梅屋千年堂 (2018-07-13 22:17) 

おかん

暑い夏には美術館・博物館が涼しくて良い~と思っていましたが今年の夏の暑さは異常ですねぇ。
トーハク行きたいです。
亡くなった母がちょっと歴史が好きで53~63才くらい、発掘のパートしていました。ちょこっと、何か、出たときもあったみたいですが市立博物館レベルでしたが観に行ったりしました。
by おかん (2018-07-21 03:05) 

梅屋千年堂

>おかんさん
本当に毎日暑いですね(~Q~;)。
外は暑いし、室内は冷房キンキンのところが多いし…
ちょっと体がおかしくなりかけてます(-_-;。

お母様、発掘のパートをされていたのですね。
ステキですね。好きじゃなきゃなかなか10年も続かないと思いますよ。
「何か」が出てきた時の感動と喜びはひとしおでしょうね(*^^*)。

縄文展、お好きな方にはたまらないと思います。是非!。

by 梅屋千年堂 (2018-07-22 22:04) 

きゅう

「もう今週で終わってしまう」という29日に行ってきました。混雑することは予想していましたが、朝9時半に現地について「さぁ、券を買おう」と販売所に行ったら長〜い列。グルグルと折れ曲がりながら博物館の外の道路へ…科博の鯨の前くらいまで行きまして、約15分。でも入場はすぐ入れました。
中は混んでいましたが、どうせ時間はたっぷりあるので4時間ほど見てまわっていました。
いつも思うのですが、土器や仏像をさりげなく固定している器具、キチンとその大きさにフィットしているのですが、博物館の方の苦労と努力があるのでしょうね。
合掌土偶の台はアクリル製(?)で立派ですが、後半に出てきた猿の台はどう見ても発泡スチロールの切れ端だよなぁ…。
危険地帯は完売商品も多く、お財布に優しいショップでした。
最近仕事で「遮光」という言葉が関連しているので、あわや遮光アイマスクを買うところでしたが(笑)。
by きゅう (2018-08-30 00:17) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
今日ご覧になっていたのですね。
それにしても4時間?!凄いです(◎_◎)。
きゅうさんが縄文展をもう観終わるかという頃、
アタシは近所でミケランジェロを観ておりました。

>>固定している器具
同感です。このためにわざわざ作ったのか〜と感心しますね。
あとはよく透明なナイロン糸のようなものをピンと張って
絶妙なバランスで固定しているのも見掛けますが
あれも「技」がいるんだろうなぁなんて思いながら観ています。
(…ちゃんと作品も観ていますが^^;)。
合掌土偶と猿の台座の違いは…やはり格の違いでしょうか。

…なんだー、遮光アイマスク買わなかったのですかー(笑)。

by 梅屋千年堂 (2018-08-30 00:54) 

きゅう

ガラスケースの最前列で順番にチョコチョコと歩いているとついつい長くなってしまいますね。ほんの僅かな隙間を見つけて入り込んでくるご婦人方の様な行動力が欲しいです。

実は終わってから超駆け足でミケランジェロも観ました。ニアミスでしたね(なんでミス?)。駆け足すぎてあまり覚えていないのですが…。
初めて入った美術館なので、建物の方に興味が半分いってて。
梅屋さんの記事を読んで思い出そう(笑)。
by きゅう (2018-08-30 01:52) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
>>ご婦人方の様な行動力が欲しいです
そんなご婦人方にならないように気を付けます(笑)。

>>ミケランジェロも観ました
そうだったんですか?!。
カフェすいれんのレシートとショップでの買い物のレシートから
照らし合わせるに、アタシが展示を観ていたのは
13時40分頃から15時30分くらいの間です。
会場内できゅうさんに追い抜かれていたかも(笑)。

by 梅屋千年堂 (2018-08-30 19:33) 

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