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寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽 [EXHIBITION]

六本木ヒルズから東京ミッドタウンへ移動。

(いまさら前記事の続き)

向かうはサントリー美術館。
『寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽』は、この日(2/14)が初日。
kaneimiyabi.jpg

鑑賞を始める前に、いつもの不室屋カフェで腹拵え。
展覧会限定メニューの「金銀御前汁粉」にしようと思っていたのだけど
かなりお腹が空いていたので、ちゃんとご飯ものを食べようと
期間限定メニュー「生麩と冬野菜のせいろ蒸しランチ」を注文。
seiro.jpg
数種類の生麩と、蓮根・人参・大根・しめじ・ブロッコリーを
せいろで一緒に蒸したもの。
からし入りのポン酢とごまだれが付いてくるのだけど
どちらで食べてもとっても美味しい(*^^*)。
(もちろんご飯も付いているんだけど、
 せいろを大きく写したくてお盆から外してしまった^^;ゞ)。

生麩でご飯を食べるなんて炭水化物×炭水化物じゃないかぁ〜!
…などと思っていたのだけど、生麩って実はタンパク質が豊富で
実はダイエットにいいらしい。


と、そんなことは置いといて…

17世紀初め、江戸幕府が擁立されて
泰平の時代が訪れた頃に花開いた寛永文化を
小堀遠州、野々村仁清、狩野探幽の作品を中心に
観ていこうというのが、この展覧会。

展示室に入って一番最初に登場するのが
展覧会のポスターなどのメインビジュアルにもなっている
野々村仁清《白釉円孔透鉢》。えっ?!いきなりコレが出てきちゃうんだ!。

穴ぼこだらけの透かし鉢。
こんなに穴ぼこだらけの鉢、一体なにに使うのだろう。
やさしい白釉の色合いと、ナニゲに八角形の口の部分が洒落ている。
江戸時代に作られたとは思えないほどモダン。
いや〜、素敵だ。何に使うのかわからないが、素敵だ。

更に、小堀遠州が愛用した《瀬戸肩衝茶入 銘 飛鳥川》を経て
狩野探幽の《桐鳳凰図屏風》がダダーン!と。
なんだなんだ?!いきなり目玉が三連発?!と驚いたが
まずは遠州・仁清・探幽の代表的なものを見せてしまおうという作戦(?)らしい。

《桐鳳凰図屏風》は、昨年夏の『おもしろびじゅつワンダーランド』で
観ているので記憶に新しい。
探幽は、それまでの狩野派の画風とは異なり、
大きく余白を取っていているところが特徴的。
琳派好きとしてはこういう余白を大事にした作品って、スキ。


このあとは、
第一章 新時代への胎動 - 寛永のサロン
第二章 古典文化 - 後水尾院と宮廷文化
というカテゴリーで、寛永文化の成立期と、
後水尾院が推し進めた宮廷文化の再興を観ていく。


第一章では光悦・宗達の《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》や《柳下絵古今集和歌色紙》、
光悦の《赤楽茶碗 銘 熟柿》、
近衛尚嗣筆・伝 俵屋宗達画の《伊勢物語図色紙「水鏡」》、
など琳派作品の他、
光悦・近衛信伊・松花堂昭乗という「寛永の三筆」の作品も観ることが出来る。


第二章は後水尾院と、それをとりまく宮廷文化の展示。
愛宕通福詞・住吉如慶画の《伊勢物語絵巻》、
霊元天皇ほか詞・住吉具慶画《源氏物語》が素敵。

思わず笑ってしまうのが《気楽坊 附 写人形》という指人形。
結構エグい表情の指人形なんだけど、
後水尾院が、(わざわざ)女官にこの指人形を操らせて
近臣に書簡を渡したりしていたんだとか…(意外とヒマ人だ…笑)。

後水尾院は京都の修学院離宮を作らせた人物でもある。
今から約12年前に修学院離宮を訪れたが(もうそんなに前になるのか〜)
かなり壮大で、趣向の凝らされた離宮であったことを思い出した。


第三章は小堀遠州。
千利休、古田織部から茶道を引き継ぎ、大名茶人となった小堀遠州。
その世界観は「きれい寂び」と呼ばれ、
ここではその「きれい寂び」を象徴するような茶道具が展示されている。

印象的だったのは藤原定家『桜ちるの文』、
異国情緒漂う《和蘭陀半筒茶碗》、胴の部分の凹みが個性的な《祥瑞蜜柑水指》、
そして紫のような茶色のような不思議な色彩を放つ《高取肩衝茶入 銘 染川》。
正直、茶入という道具の良し悪しなど未だにまったく分からないアタシだけど
この《高取肩衝茶入 銘 染川》は率直に「きれいで不思議な色だな」と思った。


第四章は待ってました!の野々村仁清。
冒頭で登場した《白釉円孔透鉢》と同じく、
抽象絵画のようにシュールでモダンだな〜と驚いた《流釉花枝文平鉢》の他
仁清と言えば、やっぱりなんと言っても
フィギュアのような鳥のカタチをした可愛らしい香合!。
もしアタシが大金持ちだったら、
仁清が作った鳥のカタチの香合を買い漁りたい!
そんな風に思うくらい、これまで観てきたものはどれもこれももれなく可愛らしい。

今回は《色絵鴨香合》、《色絵鶴香合》、《色絵鴛鴦香合》という
3点だけの展示だったのだけど、
このうち大和文華館所蔵の《色絵鴛鴦香合》が
もう!めちゃくちゃ可愛かった!(≧▽≦)。


最後の第五章は狩野探幽。
ゴテゴテとした狩野派の作品は迫力満点で圧倒されるけど
個人的にはそれほど好きじゃないなぁと思っていた。
でも探幽はそれまでの狩野派の画風を一新し、
非常にスッキリしたものが多い。…こういうの好きカモ。
特に印象に残ったのは《瀟湘八景図巻》、《波濤飛鶴図》、
《富士山図》、《源氏物語 賢木・澪標図屏風》など…。

なんだかんだ言って、
時代の流れに合わせて作風を変えていき
約400年にわたってその時々の権力者に重用されてきた狩野派ってのは
やっぱりいろんな意味で凄いんだよなぁ〜と思った。


ミュージアムショップでは、気に入った作品のポストカードを数枚…
それと大和文華館の例の《色絵鴛鴦香合》グッズ!!!。
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ポチ袋とシールと懐紙…買ってしまった(^^;ゞ。
(根付けもあったんだけど、「つけるところがないだろ」と
 冷静に考え&自分に言い聞かせて踏みとどまった笑)。

よ〜く見ないとわからない、懐紙のエンボス加工。
oshidori_2.jpg

な〜んか大和文華館、行ってみたくなっちゃったなぁ〜。
名前はよく聞くけどどこにあるの?と調べたら
近鉄奈良線、学園前駅から徒歩7分。
…今年の年末はここへ行くか!(気が早い)。




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《オマケ》
山口晃「すずしろ日記」のブックカバーを濱文様のてぬぐいで作った。
tenuguibook.jpg
いや、作ったというよりも
実は「折って包んだ」だけなんだけど(^^;ゞ。
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おかん

全体的にほんわか可愛くて癒されますね~。
御膳のレンコンは穴ぼこだらけの透かし鉢の連想でしょうか。ヘルシーなお膳ですね。
小堀遠州ってトークCDの日本三大名菓の話しに出てきた方?!
そんなことろだけ反応・・(苦笑)CDで「粉っぽいですね」とか「落雁みたい」とか話してたのはお干菓子だったからなのですね。


by おかん (2018-02-26 21:00) 

梅屋千年堂

>おかんさん
>>御前のレンコン
ハッ!!!そういうこと?!。まったく思いつきませんでした。
さすがおかんさん、目の付け所が眉の下。
トークCDの日本三大銘菓もよく憶えていらっしゃいますね(◎_◎)。
アタシなんぞはすっかり忘れていて、思わず聴き直してしまいました(^^;ゞ。
小堀遠州=長生殿ですね。一度食べてみた…くはないです(笑)。

by 梅屋千年堂 (2018-02-28 16:11) 

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