大エルミタージュ美術館展 [EXHIBITION]
24日(水)に行ってきた展覧会。
『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』
場所は六本木、森アーツセンターギャラリー。
3月18日から始まっていたこの展覧会、
去年の秋口に早割チケット(¥1,000)が販売されていることを知り
早々にチケットを手配してはあったのだけど
会期が長いのをいいことに「まだまだ平気〜」「まだ平気〜」と
先延ばしにしてしまっていた。
が、フと気付いたら会期1ヶ月切ってる( ̄口 ̄;)。
もういい加減行っとかないと!ということで
京橋のIsland Galleryに幸ちゃんの書写真展(の落書き)を観に行った後、
その足で六本木ヒルズへ。
森美術館および森アーツセンターギャラリーは
前売券を持っていても結局窓口に並ばねばならず
(まぁ大して並ばないからいいんだけど←じゃー文句言うな^o^;)
今回もなんだかなぁ〜と思いながらエレベーターに乗って52階へ。
混雑具合は「ほどほど」な感じで、
殆どストレスを感じることなく、作品を鑑賞出来そうだ。
中に入って、まず来館者を出迎えてくれるのが
ウィギリウス・エリクセンの描いた
『戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像』。
帝政ロシアの女帝・エカテリーナ2世の巨大な肖像画だ。
(期間限定・平日限定で、撮影OKになっている。
正面から撮れず、こんなアングルからの撮影になっちゃったけど^o^;)。
エカテリーナ2世が、1764年に
ベルリンの実業家ヨハン・エルンスト・ゴツコフスキーから
317点の絵画を買い取ったのが、エルミタージュ美術館の始まりとされている。
ちなみにエルミタージュとは「隠れ家」の意味らしい。
今回来日している85点の作品は
主に17〜18世紀のヨーロッパで活躍した画家たちの作品で
展示構成は国別になっている。
1.イタリア:ルネサンスからバロックへ
2.オランダ:市民絵画の黄金時代
3.フランドル:バロック的豊饒の時代
4.スペイン:神と聖人の世紀
5:フランス:古典主義的バロックからロココへ
こんな感じになっているワケなんだけれども
同時代・地続きのヨーロッパにもかかわらず、
その歴史的背景は様々なせいか、お国柄がよくわかって面白い。
良くも悪くも(笑)個人的に印象に残った作品を羅列すると以下の通り。
●カルロ・ドルチ『聖チェチリア』
聖人を描いたというよりも、どこかの令嬢の肖像画のよう。
●ミケーレ・マリエスキ
『フォンダメンテ・デル・ヴィンから眺めたリアルト橋、ヴェネツィア』
物凄く斜めから描いたリアルト橋が面白い。
描かれた人々が何をやっているのかを一つ一つ見ていくのも楽しい。
●レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン『運命を悟るハマン』
レンブラント晩年の作品。3人の登場人物の表情がそれぞれの思いを物語る。
●ヘラルト・テル・ボルフ(2世)『カトリーナ・レーニンクの肖像』
なんでこんなに小さく描いちゃったの???(^^;という妙に中途半端は肖像画。
●ピーテル・ブリューゲル(2世)(?)『スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色』
鳥罠…???どこ?(笑)。さすがブリューゲル(の息子)。
●ヤン・ブリューゲル(1世)『魚の市場(ペテロとアンデレの召命)』
『バベルの塔』同様、船が巧い。
●ヤーコブ・ヨルダーンス『クレオパトラの饗宴』
なんかちっともクレオパトラっぽくない(エジプト人ぽくない)。
●ダーフィット・テニールス(2世)『厨房』
犬だらけの厨房。フランドル絵画らしく細かくいろいろ描かれていて面白い。
近くに展示されていた『厨房の猿』をどこかで観たことがある気がするのだが
どこで観たのか思い出せない。
●フランス・スネイデルス『鳥のコンサート』
イソップ物語から題材を取ったらしい(?)鳥類図巻のような作品。
鳥の中にコウモリも混じっている。
なんだかもうギャーギャーとした騒々しさが伝わってくる(^^;。
●フセペ・デ・リベーラ『聖ヒエロニムスと天使』
スペインの画家だけれども、カラヴァッジョ風。
●フランシスコ・スルバラン『聖母マリアの少女時代』
とにかく愛らしい。
祈るマリアの目には、きっと他の人には見えない何かが見えている(と思う)。
●バルソロメ・エステバン・ムリーリョ『受胎告知』
マリアとガブリエルの頭上に群がる赤ちゃん天使がとってもかわいい。
(特に右側で仲間の天使に潰されそうになってバランスを崩してる天使がイイ)。
●フィリップ・ド・シャンパーニュ『預言者モーセ』
これも聖人の絵というよりも誰かの肖像画では?と思えるほどモデルの表情がリアル。
●フランソワ・ブーシェに基づくコピー『ヴィーナスの化粧』
なんというか…とても…下手ク…いえ、なんでもありません。
オリジナルもこんなに微妙なの???(^^;(^^;(^^;。
●ジャン=バティスト・グルーズ『未亡人と司祭』
どういった場面を描いたものなのか…?
音声ガイドもキャプションもなかったので、さっぱりわからないのだが
描かれた人物の表情からそこが妙に気になる。
●ルイ=レオポール・ボワイー『女性画家』
少女漫画みたい。
●ルカス・クラーナハ『林檎の木の下の聖母子』
出た!クラーナハ。エルミタージュ側が、最後まで貸出を渋ったという名画。
理知的な表情でこちらを見つめる幼児のキリストが印象的。
右手にパン、左手に林檎を持っているが、ただの食いしん坊ではない(笑)。
その他、ルーベンスやティツィアーノ、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナールなど、
ビッグネームの作品も多数あり、それらが目玉だったりもするんだけれども、
何故か個人的にはさほど惹かれず…(^^;。
最後はショップでグッズを物色。
今回も、ロシア生まれのキャラクター:チェブラーシカとのコラボ商品多数…。
何年か前に、やっぱりエルミタージュの展覧会があった時も
チェブラーシカとコラボしてたよなぁ…いつだっけ?と調べたら
2012年、国立新美術館での展覧会だった。
そしてその時の展覧会の名前も『大エルミタージュ美術館展』だった…(笑)。
買ってきたのはお気に入り作品のポストカード5枚。
それと展覧会限定のチェブラーシカ・ロール付箋メモ。
テープみたいなロールから、カットして使える付箋メモ。
出展作品になりきったチェブラーシカがカワイイ(*^^*)。
-----------------------------------
さて、来週はどの展覧会へ行こうか…
『デンマークデザイン展』@横須賀美術館
『エリック・カール展』@世田谷美術館
あるいは
『はじめての古美術鑑賞 -紙の装飾』@根津美術館
『神の宝の玉手箱』@サントリー美術館
か…
でも映画(『美女と野獣』)も観たい〜…どうしよ(^^;ゞ。
『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』
場所は六本木、森アーツセンターギャラリー。
3月18日から始まっていたこの展覧会、
去年の秋口に早割チケット(¥1,000)が販売されていることを知り
早々にチケットを手配してはあったのだけど
会期が長いのをいいことに「まだまだ平気〜」「まだ平気〜」と
先延ばしにしてしまっていた。
が、フと気付いたら会期1ヶ月切ってる( ̄口 ̄;)。
もういい加減行っとかないと!ということで
京橋のIsland Galleryに幸ちゃんの書写真展(の落書き)を観に行った後、
その足で六本木ヒルズへ。
森美術館および森アーツセンターギャラリーは
前売券を持っていても結局窓口に並ばねばならず
(まぁ大して並ばないからいいんだけど←じゃー文句言うな^o^;)
今回もなんだかなぁ〜と思いながらエレベーターに乗って52階へ。
混雑具合は「ほどほど」な感じで、
殆どストレスを感じることなく、作品を鑑賞出来そうだ。
中に入って、まず来館者を出迎えてくれるのが
ウィギリウス・エリクセンの描いた
『戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像』。
帝政ロシアの女帝・エカテリーナ2世の巨大な肖像画だ。
(期間限定・平日限定で、撮影OKになっている。
正面から撮れず、こんなアングルからの撮影になっちゃったけど^o^;)。
エカテリーナ2世が、1764年に
ベルリンの実業家ヨハン・エルンスト・ゴツコフスキーから
317点の絵画を買い取ったのが、エルミタージュ美術館の始まりとされている。
ちなみにエルミタージュとは「隠れ家」の意味らしい。
今回来日している85点の作品は
主に17〜18世紀のヨーロッパで活躍した画家たちの作品で
展示構成は国別になっている。
1.イタリア:ルネサンスからバロックへ
2.オランダ:市民絵画の黄金時代
3.フランドル:バロック的豊饒の時代
4.スペイン:神と聖人の世紀
5:フランス:古典主義的バロックからロココへ
こんな感じになっているワケなんだけれども
同時代・地続きのヨーロッパにもかかわらず、
その歴史的背景は様々なせいか、お国柄がよくわかって面白い。
良くも悪くも(笑)個人的に印象に残った作品を羅列すると以下の通り。
●カルロ・ドルチ『聖チェチリア』
聖人を描いたというよりも、どこかの令嬢の肖像画のよう。
●ミケーレ・マリエスキ
『フォンダメンテ・デル・ヴィンから眺めたリアルト橋、ヴェネツィア』
物凄く斜めから描いたリアルト橋が面白い。
描かれた人々が何をやっているのかを一つ一つ見ていくのも楽しい。
●レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン『運命を悟るハマン』
レンブラント晩年の作品。3人の登場人物の表情がそれぞれの思いを物語る。
●ヘラルト・テル・ボルフ(2世)『カトリーナ・レーニンクの肖像』
なんでこんなに小さく描いちゃったの???(^^;という妙に中途半端は肖像画。
●ピーテル・ブリューゲル(2世)(?)『スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色』
鳥罠…???どこ?(笑)。さすがブリューゲル(の息子)。
●ヤン・ブリューゲル(1世)『魚の市場(ペテロとアンデレの召命)』
『バベルの塔』同様、船が巧い。
●ヤーコブ・ヨルダーンス『クレオパトラの饗宴』
なんかちっともクレオパトラっぽくない(エジプト人ぽくない)。
●ダーフィット・テニールス(2世)『厨房』
犬だらけの厨房。フランドル絵画らしく細かくいろいろ描かれていて面白い。
近くに展示されていた『厨房の猿』をどこかで観たことがある気がするのだが
どこで観たのか思い出せない。
●フランス・スネイデルス『鳥のコンサート』
イソップ物語から題材を取ったらしい(?)鳥類図巻のような作品。
鳥の中にコウモリも混じっている。
なんだかもうギャーギャーとした騒々しさが伝わってくる(^^;。
●フセペ・デ・リベーラ『聖ヒエロニムスと天使』
スペインの画家だけれども、カラヴァッジョ風。
●フランシスコ・スルバラン『聖母マリアの少女時代』
とにかく愛らしい。
祈るマリアの目には、きっと他の人には見えない何かが見えている(と思う)。
●バルソロメ・エステバン・ムリーリョ『受胎告知』
マリアとガブリエルの頭上に群がる赤ちゃん天使がとってもかわいい。
(特に右側で仲間の天使に潰されそうになってバランスを崩してる天使がイイ)。
●フィリップ・ド・シャンパーニュ『預言者モーセ』
これも聖人の絵というよりも誰かの肖像画では?と思えるほどモデルの表情がリアル。
●フランソワ・ブーシェに基づくコピー『ヴィーナスの化粧』
なんというか…とても…下手ク…いえ、なんでもありません。
オリジナルもこんなに微妙なの???(^^;(^^;(^^;。
●ジャン=バティスト・グルーズ『未亡人と司祭』
どういった場面を描いたものなのか…?
音声ガイドもキャプションもなかったので、さっぱりわからないのだが
描かれた人物の表情からそこが妙に気になる。
●ルイ=レオポール・ボワイー『女性画家』
少女漫画みたい。
●ルカス・クラーナハ『林檎の木の下の聖母子』
出た!クラーナハ。エルミタージュ側が、最後まで貸出を渋ったという名画。
理知的な表情でこちらを見つめる幼児のキリストが印象的。
右手にパン、左手に林檎を持っているが、ただの食いしん坊ではない(笑)。
その他、ルーベンスやティツィアーノ、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナールなど、
ビッグネームの作品も多数あり、それらが目玉だったりもするんだけれども、
何故か個人的にはさほど惹かれず…(^^;。
最後はショップでグッズを物色。
今回も、ロシア生まれのキャラクター:チェブラーシカとのコラボ商品多数…。
何年か前に、やっぱりエルミタージュの展覧会があった時も
チェブラーシカとコラボしてたよなぁ…いつだっけ?と調べたら
2012年、国立新美術館での展覧会だった。
そしてその時の展覧会の名前も『大エルミタージュ美術館展』だった…(笑)。
買ってきたのはお気に入り作品のポストカード5枚。
それと展覧会限定のチェブラーシカ・ロール付箋メモ。
テープみたいなロールから、カットして使える付箋メモ。
出展作品になりきったチェブラーシカがカワイイ(*^^*)。
-----------------------------------
さて、来週はどの展覧会へ行こうか…
『デンマークデザイン展』@横須賀美術館
『エリック・カール展』@世田谷美術館
あるいは
『はじめての古美術鑑賞 -紙の装飾』@根津美術館
『神の宝の玉手箱』@サントリー美術館
か…
でも映画(『美女と野獣』)も観たい〜…どうしよ(^^;ゞ。
2017-05-26 01:32
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コメント(4)
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この展覧会は来月からは名古屋で開催されるので前回に引き続き楽しみです。前回はチェブラーシカとのコラボ商品を何か買った気が…。
先日まで京都で開催の海北友松を行きそびれてしまい5月31日に奈良の「快慶」に行ってきました。
清水寺の奥の院の千手観音坐像と醍醐寺の弥勒菩薩坐像が最大の目的だったのですが展示の仕方が工夫されていました。
特に醍醐寺の弥勒菩薩坐像はガラスケースなしで台の上にあり結構近づいて見ることのできる状態だったり、東大寺の西大門勅額の周りについている8軀の像を外して展示してあることに驚きました(像は外してあるけれど額の方は写真パネルでした)。
また前期のみの展示だった孔雀明王坐像は大きな写真パネルを掲示してあったので「この手法は他の展覧会でもやってほしい」と思ったり。
最後の方は阿弥陀如来立像が8軀並ぶのですがグッズの阿弥陀如来立像が13軀並んだクリアファイルを買って家に帰ってみたらどれがどれだか…。
興福寺も国宝館改修中なので仮講堂で特別公開をしていました。以前特別公開の時には並んだのですが今回は並ぶこともなく(結局行くのです)、いつもは秋の奈良ばかりなのですが、この時期の奈良を堪能しました。
というか開催中の「仏像展巡りスタンプラリー」あとは「運慶」だけなのですがこれが難しい…。
by きゅう (2017-06-02 01:33)
>きゅうさん
最近はどの展覧会も展示方法が凝ってますよね。
照明をどんな風に当てて、壁にどんな影を映し出すかまで
計算されている気がします。
>>あとは「運慶」だけなのですがこれが難しい…。
トーハクの特別展「運慶」は9/26〜11/26という日程ですね。
これは(おそらく)THE ALFEEの秋フェスタとほぼ丸被りではないですか!。
こうなったらどこか関東公演と絡めて上京するしかありません。
東京国際フォーラムなど、お誂え向きかと。
(↑もう勝手にあるものと決めている^o^;)。
by 梅屋千年堂 (2017-06-04 21:23)
こんにちは、
私も大エルミタージュ美術館展を鑑賞してきましたので、鑑賞レポートを読ませていただき、大エルミタージュ美術館展の名画を再体験することができました。ティツィアーノの「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」や。ルーカス・クラーナハの「林檎の木の下の聖母子」のようなルネサンス期の傑作もありましたが、今回はバロック、ロココ時代の作品が多くを占め、今まで見たことのなかったこの時代の傑作がたくさんあり充実した展覧会でした。私の好きなムリーリョの『受胎告知』はムリーリョらしい優しい表現で緊迫感が感じられず、聖母マリアも天使のガブリエルや子供の天使たちも優しさに溢れ心温まる作品でした。それに対して、ブティエポロの『受胎告知』は、小品ながら画面を巧みに使った大きな表現と優しくおおらかで色彩表現が軽妙な華やかさという違った味わいを出していました。
私は大エルミタージュ展の中心となっていたバロック、ロココ美術コレクションについて、本場で見てきたエルミタージュ美術館が所有する絵画の全貌を整理してみました。一度眼を通していただきご参考になれば幸いです。ご感想、ご意見などコメントいただけると感謝いたします。
by dezire (2017-06-21 12:56)
>dezireさん
dezireさんの記事に比べたら
アタシの鑑賞レポート(というよりもただの感想文)なんて
幼稚園児の落書きみたいなもので、お恥ずかしい限りです。
大エルミタージュ展、さすがにスケールの大きな展覧会でしたね。
本場のエルミタージュ美術館にいらしたことがあるなんて羨ましいです。
のちほど、じっくりと記事を拝見させていただきますね。
by 梅屋千年堂 (2017-06-24 23:13)