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草間彌生展『わが永遠の魂』 [EXHIBITION]

待ちに待った“YAYOIちゃん”の展覧会@国立新美術館。

草間彌生(1929-)は、アタシが大好きなアーティストの一人だ。
どの程度好きかというと、静岡まで展覧会を観に行くくらいの好き具合。
なので、今回の展覧会の開催を知ってから、開幕が楽しみで仕方がなかった。

そんなわけで展覧会初日の22日、ワクワクしながら国立新美術館へ。
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隣の看板は3月から始まるミュシャ展。
ヤヨイちゃんの前売り券とセットで買うとお得だったので
こちらも始まったら観に来る予定だ(『スラヴ叙事詩』が超楽しみ〜)。

屋外の樹木まで草間ワールド!。
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コインロッカーに不要な荷物とコートを預けて、
入口で音声ガイドを借りたらば、いざ!展示室へ。

最初に迎えてくれるのは、大きな富士山を描いた作品
『生命は限りもなく、宇宙に燃え上がっていく時』。
なんとなく草間彌生が、こんなに具体的なもの=富士山を描くのも
ちょっと珍しいな、と思ったけれど、誰が見ても草間彌生の富士山。
さすがである。

音声ガイドを聴きながら、コーナーを曲がって次の展示室に入ると…
うわーーーーーーっっっ!!!
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巨大な展示空間の壁一杯に、カラフルが作品がビッッッシリと並んでいる。
展示室の真ん中には、花をテーマにした立体作品3体も。

ここは草間彌生が2009年から取り組んでいる『わが永遠の魂』のシリーズが
約130点、これでもか!という感じで並んでいる。
これだけの作品に囲まれていると、なんだかゾワゾワしてくる。
2013年に静岡で草間彌生の展覧会を観た時も感じたことだけど
四方八方を草間作品に囲まれると、何故かアタシの細胞は活性化する。
そして総天然色のうねうねぐねぐねつぶつぶの世界に囲まれて
なんだか目が喜んでいるような気がする…。

反時計回りに、ひとつひとつの作品を観ていくことにする。

直感的に「好き!」と感じた作品の写真を撮っていく。
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黒いギザギザに囲まれた、色とりどりの歪んだ円が不規則に並ぶ作品は
『いまわしい戦争のあとでは幸福で心がいっぱいになるばかり』。


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『春来たる時』。


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人の横顔が並ぶのは『人間たちの営み』。


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立体作品は『明日咲く花』。


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上段の作品『わたしは漫画家になりたい』。


立ち去りがたい気持ちを抑えつつ、
音声ガイドのYAYOIちゃんの歌声を聴きながら次の展示室へ。
      (↑これがなかなかの味わい…)。

そこに飾られているのは、主に1940年代から’50年代前半の初期作品。
子供の頃から幻覚や幻聴に悩まされ、そこから逃れるために
とにかく絵を描くしかなかったという。
さきほどまでの総天然色とは対照的に、暗い作品が並ぶ。
ご本人はまったくそのようなことは意識していないと思うけれども
ちょっとシュールレアリスムの香りなんかも漂っていて
『残夢』という作品は、ちょっとエルンスト風だな、と思った。

暗い中でも『太陽』『(無題)』(II-028)という作品が印象に残った。


次の展示室は、’50年代後半から’70年代前半のニューヨーク時代。
この時代に女性が単身でニューヨークに行くなんて物凄いことだと思う。

ここでは、ネットペインティングと呼ばれる作品やコラージュ作品、
ハプニングと呼ばれるパフォーマンスの記録映像、
ソフト・スカルプチュアなどが展示されている。
いよいよ、草間彌生の本領発揮!という作品が続々登場。
個人的に、ここでは『Airmail Stickers』というコラージュ作品に惹かれた。
こういう作品も作っていたのかと、ちょっとした意外性があった。


角を曲がるとまたまた撮影可能な休憩コーナー。

モザイク状の『南瓜』3点。
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外の光を反射してすごく綺麗。


窓の外には大きな『南瓜』。
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休憩コーナーのガラス窓にも水玉が貼り付けられているのだ。


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白いマネキンに赤い水玉を施した『水玉強迫 2017』。


そしてこの後に待っているのが『生命の輝きに満ちて』。
上下左右、鏡に囲まれた暗い部屋の中に入っていくと
そこには無数の小さな光が時折色を変化させながら煌めいている。
上も下も四方の壁、全てが鏡で出来ているので
その光が鏡の世界の奥の奥の方まで無限に続いている。
以前、静岡の展覧会へ行った時も、同様の作品があって
とてもとても感動して心を揺さぶられたのだけど、
今回も、この部屋を出る頃にはなんだかちょっとウルッとしてた(・_・、)。
(すっかり忘れていたが、2013年の静岡の展覧会の記事を読んでたら
 やっぱりこの時もウルッときてた^^;ゞ)。

足元に貼られた白いテープに沿って歩いていって
この「無限の鏡の間」を出ていくのだけど、
もっともっとずーっとこの空間に身を置いていたかったなぁ。



1973年になると、体調を崩してニューヨークから帰国。
東京で入院しながら活動を再開。
『夜の目』『かぼちゃととかげの思い出』『戦争の津波』といった
コラージュ作品が印象的だった。

これまでも草間作品に登場してきた
水玉、ネット、男根状の突起などのモチーフを再構築して
新しい作品を生み出していく。

ひとつの展示室では『最後の晩餐』と『ドレッシング・テーブル』という
2つの立体作品が向かい合って展示されていて、
その『ドレッシング・テーブル』の鏡には
『最後の晩餐』が映し出されていて、ここにも小さな無限の世界が出来ていた。

『我ひとり逝く』も鏡を使った作品で、
床と天井に鏡が置かれ、その間をハシゴが繋いでいて、そこにもまた無限の世界。

黄色と黒で埋め尽くされた『黄樹リビングルーム』を出ると
そこはまた一番最初の大きな展示室。
ここで再度、《わが永遠の魂》の一連の作品を眺めていると
さっきはスルーしていた作品が目に留まるようになったりする。
その一つがこれ。
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『愛の会話』。
YAYOIちゃんにしては、割と具象性があってフツーっぽいかも(^^;。


あ〜、いい展覧会だったな〜。
『わが永遠の魂』の作品のタイトルや
草間彌生自身による音声ガイドの詩の朗読やコメントなどから
あ〜死を意識しているな…と思わずにはいられないけれど
「絵を描いているとどんどんアイデアが浮かんでくるの」という
YAYOIちゃんにはまだまだ長生きして、
すっごい作品をどんどん生み出して欲しいと思う。


さて、最後はグッズコーナーでYAYOIちゃんグッズを買って
ランチにすっか〜…と、数ある魅力的なグッズの中から
ポストカードとマスキングテープと、缶入りのお菓子を厳選(?)して
レジの列に並ぼうとすると…

わーーーーーーっっっ!!!( ̄口 ̄;)

もンのすごい長蛇の列…_| ̄|◯。

とにかく並ばにゃしゃーないんで、とりあえず並び始めたけれど…
進み具合から予測するにこれは1時間以上かかりそうだ(-_-;。
しかも並ばされてる場所が展示室の外のロビーの部分なので
室内とは言え吹き抜けになっているので結構寒い{{ (>_<) }}。
ウルトラライトダウンは着てたけど、
分厚いコートはコインロッカーに置いてきちゃってるし…
寒さに耐えながら並ぶこと1時間半…ようやく買い物を済ますことが出来た。
(もぉ〜展示観てた時間より並んでた時間の方が長いじゃないか!)。

こんだけなんだけどね〜…
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袋がかわいいから、それもらってくるだけでも意味があるか…(^o^;。

お菓子は缶欲しさに買った「ミルクアーモンド」。
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想像していたよりも美味しかった〜(*^^*)。

しかし1時間半も並ぶのなら、もっといろいろ買っておけばヨカッタ…。
来月ミュシャ展でまた来るから、その時にまた追加で買おう〜なんて
最初は思っていたのだけど、こんなに並ぶのもうヤダ(^o^;。


芯まで冷え切った体を温めるべく、地下のカフェテリア《カレ》でランチ。
ここでもまた並ばされたら泣く〜〜〜と思っていたけど
こちらはウソみたいにガラガラだった(・o・)。

食べたのは期間限定特別メニューの
「牛ほほ肉のブランケット 季節野菜とサフランライス添え」。
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期間限定と言っても、別にYAYOIちゃんの展覧会とは無関係…なのかな。
こういうのって、往々にして肉がちょびっとしか入ってなかったりするんだけど
これはスプーンで切れるほどやわらか〜く煮込んだお肉が
たくさん入っていて、大大大満足であった(*^^*)。



さ〜て、体が温まって元気が出てきたところで
この後はサントリー美術館へハシゴだぁ〜!。
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こたろう

梅屋さん、やよいちゃんちゃん好きだったのですね。
大胆な狂気より、静かな狂気のほうが、私には合うみたいでして(^^;
長野の松本に行くと、やよいちゃんバスを見て、うーむー。と思い、美術館前庭の大きな作品にビクッとしてしまう私です。

ただ、無限の鏡の間は、何時間でもいたくなるような、不思議な空間だったことを、梅屋さんのレポをよんで思い出しました。
貸切に近い美術館ということもありましたが、誰にも邪魔されない鏡の間は、ヤバい!ここから出られるのか⁈と思うほどでした。

やよいちゃん、今度はちゃんと観てみようかなぁ。
by こたろう (2017-02-25 14:23) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
やよいちゃんの作品は、結構好き嫌いがハッキリ出るかも知れませんね。
アタシはこういうの好きなんです。岡本太郎なんかも好きです。

松本市美術館も行ってみたいんですよ〜。
なんと言ってもやよいちゃん生誕の地ですし
やよいちゃんの作品にいつでも会えるなんて素敵すぎます。

無限の鏡の間、うちに欲しいです(笑)。

by 梅屋千年堂 (2017-02-26 22:10) 

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