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フェルメールとレンブラント [EXHIBITION]

森アーツセンターギャラリーで開催中の展覧会
『フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち』。

…というタイトルなのだけど、
フェルメールは1点、レンブラントは帰属も入れて2点のみ(^^;。
ま、まぁこういう展覧会にはよくあることだけども。


たとえ1点しか来ていなくても、さすがはフェルメール。
その1点が初来日ということもあってか
入口には「只今の入場までの待ち時間:20分」なんて表示が( ̄口 ̄;)。
vermeer_1.jpg
マジー?!と思ってチケット売り場へ。
確かに当日券売り場は結構な列になっている。
アタシは既にオンラインの前売り券を買っていたので
iPhoneの画面にバーコードを表示させつつ、前売り券専用のカウンターへ。

バーコードチケットのはずなのに、バーコードの読み取りはなく、
カウンターのお姉さんがその下にある番号を手入力することで
正式なチケットに引き換えてくれる。
「このバーコードは一体…(^^;」と、細かいことは気にせずに
エレベーターに乗って52階の美術館入り口へ。

20分待ち…なんて書いてあったけど、
ちょっとも待たされることなくスムーズに入場。中も思ったほど混んではいない。
(一番混んでいたのは当日券売り場だった)。

展示は以下のセクションに分かれている。

I  ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム - オランダ黄金時代の幕開け
II  オランダ黄金時代
   II-1 風景画家たち
   II-2 イタリア的風景画家たち
   II-3 建築画家たち
   II-4 海洋画家たち
   II-5 静物画家たち
   II-6 肖像画家たち
   II-7 風俗画家たち
III  レンブラントとレンブラント派
IV  オランダ黄金時代の終焉


前半の「黄金時代」の風景画家や静物画家たちの作品を眺めながら
確かに巧いけれども…うーん、いまひとつ心に響く作品がないなぁ…と
そんなことを思いながら肖像画家たちのセクションへ。

ここでようやく「おっ!」という作品が。
フランス・ハルス(1580頃-1666)の
「ひだ襟をつけた男の肖像」と「男性の肖像(聖職者)」。
フランス・ハルスの作品は2012年の《マウリッツハイス美術館展》で観た
「笑う少年」という作品がとても印象的だけれども
この人の描く人物画・肖像画はなんかこう、活き活きしていていいな、と思うのだ。

それと、イサーク・リュティックハイス(1616-1673)の「女性の肖像」。
襟と袖口が白の、黒い衣服をまとった貴婦人の肖像画。
なんだけど、女性の顔かたちよりも、
胸元のリボン飾りとか耳飾りに、どうも目が行ってしまう。
というのも、このアクセサリー類の描き方に
画家の気合いを物凄く感じるというか、人物よりもこっちに力を入れてないか?(^^;
ってくらい、細密に、リアルに描かれているのだ。
服は地味だけどこんな素敵なアクセサリーを付けられるほど
実は裕福なのよってことを表現している…のかどうかは知らないけど
とにかくこのアクセサリーの細密描写にただただ感動してしまった。
(着目点がヘンですんません)。


ヨハネス・フェルメール(1632-1675)の「水差しを持つ女」が出てくるのは
《風俗画家たち》のセクション。
…さすがに人集りがスゴイ(◎_◎)。
せっかくなので近くで観ようと、しばらく並んで至近距離で鑑賞。

フェルメールっていう名前に目を眩まされないように(^^;
フェルメールが描いたってことを抜きにしても、良いと思えるかどうか…
そんな感じでできるだけ虚心坦懐な気持ちで観てみたけれど
うーん、やっぱりこの展覧会でここまで観てきた作品とは一線を画している。
でも観れば観るほどに、画面の左側から差し込む光とか
ブルーと黄色と白という色の組み合わせなどは「ザ・フェルメール」という感じ。
どの絵も割とワンパターンなのに、なんでこんなに人気があるんだろうね。
(そう言ってる自分も結構好きなんだけども^o^;)。


《レンブラントとレンブラント派》のセクションでは
そのタイトル通り、レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)の
これまた初来日作品「ベローナ」が展示されている。
が、こちらにはあまり人集りが出来ていない(・o・)。

「ベローナ」は甲冑を身に着けた女性が
穏やかな表情でこちらを見つめている作品。
顔付きからすると、この絵のモデルになっているのは
レンブラントの奥さんだったサスキア…かな。
個人的には、この奥さん、そんなに美人だとは思えないのだけど
レンブラントはサスキアをモデルにした絵をたくさん残している。

キアロスクーロ(明暗法)を用いて浮かび上がる女性の顔と
甲冑の質感などは「巧いねぇ〜」と思わず唸ってしまう。

でも、このレンブラントも良かったけれども
個人的にこの展覧会で最も印象に残ったのは、レンブラントの弟子だった
カレル・ファブリティウス(1622-1654)の
「帽子と胴よろいをつけた男(自画像)」。
なんてことはない肖像画なのだけど、この人物の目ヂカラがスゴイ。
思わずポストカードまで買ってしまった。

ちなみに、カレル・ファブリティウスは
デルフトでの火薬爆発事故に巻き込まれて32歳の若さで亡くなっている。
(この自画像はその直前に描かれたものらしい)。
この事故のために、彼の作品の多くも失われ
現存する作品はわずか10点あまりだという。

こんなことを調べるのにWikiを見ていたら
代表作として「ゴシキヒワ」という作品が紹介されてた。
「あれ?この作品、アタシ知ってる(観たことある)なぁ」と調べてみたら
どうやらマウリッツハイツ美術館展で観ていたようだ。
(その時のレポを読んでもこの絵についてはな〜んにも言及してなかったんだけど
 心の片隅に引っ掛かっていたんだねぇ^o^;)。



というわけで、このたび購入したポストカードはこれ。
vermeer_2.jpg
上の3枚は展覧会とはまったく関係ない
六本木ヒルズのアート&デザインストアで購入した山口晃のポストカード。

展覧会グッズとしては
あまりのバカバカしさが気に入って買ってしまったコレ。
vermeer_3.jpg
「ぐでたま」が「水差し〜」と「ベローナ」のコスプレをしている付箋セット。

vermeer_4.jpg
これが数量限定で結構な人気なんだって!。
(別に「ぐでたま」なんて好きでもなんでもないのに
 「限定」につられて買ってしまったことはナイショだ…)。
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うさぼん

こんにちは。ワンパターンに笑いました。確かにそうですね。しかし観ていると引き込まれてしまう何かがあります。早く行かなくては~。
by うさぼん (2016-02-28 11:40) 

梅屋千年堂

>うさぼんさん
そうなんです。
フェルメールってどれも同じような感じなのですけど
なぜか惹きつけられてしまうのです。
もしかしたら、そこに思想や物語性が存在していないがゆえに
観ている人が勝手に作品からいろんなことを
イメージ(妄想ともいう^^;)出来るからかも知れません。

3月31日までですのでお早めに♪。

by 梅屋千年堂 (2016-02-29 01:13) 

ナッキー

こんばんは(^-^)
私も<ワンパターン>観に行こうっと(^_-)-☆
by ナッキー (2016-02-29 22:34) 

梅屋千年堂

>ナッキーさん
まさに「ザ☆フェルメール」な《水差しを持つ女》
是非ともご覧になってきてください。
アタシは次はカラヴァッジョ観に行きまーす===ヘ( ;^^)ノ。

by 梅屋千年堂 (2016-02-29 23:08) 

ゆき

こんにちは。
昨日、本屋さんに行ったら、金ピカの表紙と『若冲』の文字が飛び込んできました。
その瞬間「梅屋さ~ん」とお顔を存じ上げないので、このブログのTOPページを思い浮かべておりました。
すでにご存知かもしれませんが『和樂』の今月号に特集されているようです。
で、夕刊にもババーンと広告が載っておりました。
クリアファイルやらの付録もついているようです。

最初は、表紙が金色だったので「お、金沢が載っているのかな?」と目を留めたのです。
春ツアーで金沢遠征をするので…
今日から3月。今月末には始まるんですねぇ。楽しみです♪
(記事に関係ないコメントですみません)

by ゆき (2016-03-01 15:25) 

にゃんこ

梅屋さんこんばんは?。
先日の梅屋さんのブログにて、京都での展覧会が終わったのに気付き…がっかり[がく~(落胆した顔)]
京都市美術館で日展とフェルメールとレンブラント展一緒に観ようとして欲張ったのが良くなかったです。
レンブラントやフェルメールの絵は殆ど無かったのですね。少し気が晴れました。^^;

日展は京都展は年末年始挟むので慌ただしい中ですが、前の職場の方のご主人様の作品が展示されているので昨年は初めて行って日本画から洋画、陶芸、書道等ジャンルが色々あって見応えがあり、今年も観に行きました。

by にゃんこ (2016-03-02 00:06) 

梅屋千年堂

>ゆきさん
ほほぅ、「和樂」の最新号で若冲の特集が組まれているのですね。
機会があったら立ち読みしたいと思います(買わんのかぃ^^;)。
最近また「買ったけど読めてない本(雑誌)」が積み上がってまして…(^^;ゞ。
どこから手を付けたら良いのかわからず、困っています(笑)。

早いもので、春ツアー開幕まで1ヶ月を切ってしまいましたね。
「三位一体」の曲を早く生で聴きたいです。




>にゃんこさん
京都展のことをちょっと調べてみましたが
展覧会名に「世界劇場の女性」というサブタイトルが付いていたのですね。
このサブタイトルがあるとないとで、結構展覧会の印象が変わるような気がします。
各美術館ともいろいろ工夫を凝らしているのですね。

日展はものすごーーーく遙か昔に一度だけ見たことがあるような気がします。
にゃんこさんの仰るとおり、作品のジャンルも数もハンパなくたくさんで
観終わってグッタリきた記憶が残っています(^o^;。

by 梅屋千年堂 (2016-03-02 22:15) 

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