SSブログ

ボッティチェリとルネサンス [EXHIBITION]

去年の秋に続き、またまたボッティチェリが日本にやってきた。

正確に言えば、ボッティチェリの作品が日本にやってきた(^^;ゞ。

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の展覧会
『ボッティチェリとルネサンス -フィレンツェの富と美』。
01_kanban.jpg
昨日(5/27)行ってきた。

そのタイトルが示すように、
ルネサンスの原動力となったフィレンツェ金融業の繁栄、
芸術家を支えたパトロン、メセナ活動の誕生を
サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)と、
その同時代の画家の作品や工芸品によって追っていこうというもの。
02_kanban.jpg

去年の秋の『ウフィツィ美術館展』よりも
更に多くのボッティチェリの作品が来ているのが嬉しい。
代表的なものとしては
『ケルビムを伴う聖母子』
『受胎告知』(フレスコ)
『聖母子と二人の天使』
『聖母子と洗礼者聖ヨハネ』
などなど…、工房作品も入れると17点もの作品が展示されている。
(ただし『聖母子と洗礼者聖ヨハネ』は5/6までの展示だったので
 観ることができなかった)。

ボッティチェリはダ・ヴィンチ(1452-1519)や
ミケランジェロ(1475-1564)、ラファエロ(1483-1520)らよりもちょっと年上。
いわゆるルネサンスの三巨匠と比べると、作品に出てくる人物の表情はまだ硬いが
それが逆に、神秘的な雰囲気をより強く感じさせ
アタシはこの画家のそういう「ちょっと不思議な感じ」がとても好きなのだ。

今回特に楽しみにしていたのは、フレスコ画の『受胎告知』との再会。
もう随分前になるが、以前もこの作品は日本に来たことがあり
その時も観に行ったのだけど、その巨大さに圧倒されて
《本物=実物を観ることの大切さ》みたいなものを知ったのだった。

243×555cmという巨大な作品なので当たり前だが
広い展示室の壁を、そのフレスコ画が占領していた。
観た瞬間、あまりの大きさに「うわーーーーっ!」と圧倒される。

以前観たときよりも更に大きく感じるなぁ(◎_◎)。
こんなにスゴい作品を、ガラス越しじゃなく
しかもかなり至近距離で観られるというのはさすがに興奮する。

フレスコ画というのは、壁に漆喰を少しずつ塗りつけながら
その漆喰が乾ききらないうちに彩色を施していくのだけど
作品のところどころに見られる漆喰の境界線を観ていると
なんだかボッティチェリがこの絵の前で作業をしている姿が
結構生々しく思い起こされて、タイムマシンに乗って
15世紀のフィレンツェにタイムスリップしたような心持ちになった。


ボッティチェリ以外にも素晴らしい作品がいくつも展示されている。
個人的に「いいなぁ〜素敵だなぁ〜」と思ったのは
・フラ・アンジェリコ『聖母マリアの埋葬』『聖母マリアの結婚』
・フランチェスコ・ボッティチーニ『大天使ラファエルとトビアス』
・フランテェスコ・ボッティチーニ『幼児イエスを礼拝する聖母』
・『三声と四声のための歌曲集』

特にフランテェスコ・ボッティチーニの『幼児イエスを礼拝する聖母』は
とっても美しい。まず、聖母マリアが美人(笑)。
そして聖母子の周りに咲き誇る様々な野の花の描写がとても丁寧で
そこだけ観ていると植物図鑑のよう。
ボッティチェリの『春(プリマヴェーラ)』も
草花が細かく描かれていることで有名なので、この影響があるのかな?と思ったら
ボッティチーニの作品の方が先に描かれていた。

この『幼児イエスを礼拝する聖母』のポストカード、絶対欲しいな〜と
思っていたのだけど、残念ながら(というか案の定)
この作品のカードはなかった…_| ̄|◯。

仕方がないから、同じボッティチーニの『大天使ラファエルとトビアス』、
ボッティチェリの『受胎告知』のポストカードを購入。
03_souvenir.jpg
それと、職場のロッカーにくっつけようと思って『受胎告知』のマグネットも。

更に、今回の展覧会のオリジナルグッズであるチケットフォルダー。
これがヨイ!。とってもヨイ!。
04_ticketfolder.jpg
『受胎告知』の天使の翼を大写しにしたデザインもよし。
ファイルの角が丸くなっているのも嬉しい。
(意外にこの「角」が手に刺さったり衣服に引っ掛かったりするので)。

裏面は『受胎告知』全体図。
06_ticketfolder.jpg

中を開くと、片側は普通のポケット、もう片方はスリット付きのポケットになっている。
05_ticketfolder.jpg

つまり、こういう感じ(^^;ゞ。
07_ticketfolder.jpg

A4サイズのチラシや、A4用紙にプリントアウトしたオンラインチケットも
三つ折りにして収納できる仕様。
人気美術ブログ『青い日記帳』との企画商品とのことで
さすが、かゆいところに手が届くって感じ。
デザイン、機能ともに申し分ないチケットフォルダーなのだ。

…一体いくつチケットフォルダー買えば気が済むんだよ…ってくらいになってきてるケド(^o^;。



帰宅後、前にフレスコの『受胎告知』を観たのはいつだったんだろう?と
ちょっと調べてみたところ、2001年、国立西洋美術館で開催された
『イタリア・ルネサンスー宮廷と都市の文化展』だったようだ。
ちょうどその頃、割とまめに日記を付けていたので
その日を探し当てて読んでみたんだけど…
『受胎告知』に関する記述や感想はまったくなく、
ミケランジェロの『ブルータス』がスゴイ!ばっかりだった(^^;。
あとは展示されていないロッソ・フィオレンティーノの『奏楽天使』のグッズが
どういうわけがたくさん売っていて、しこたま買い漁ってきたこと(笑)。

そういえば…
当時「日本におけるイタリア年」の記念として発売された
ボッティチェリの『受胎告知』の切手があったはず…
そう思って切手アルバムを開いてみたら…

あったあった!。
08_stamp.jpg
もったいなくてとてもとても使えなかったんだ(*^^*)。




--------------------------------------------------
次に行くべき展覧会

『着想のマエストロ 乾山見参!』@サントリー美術館
  (↑タイトルがオヤジギャグ…^^;)
『スターウォーズ展』@六本木ヒルズ・スカイギャラリー
  (11月に横浜に来るらしいからそれでもいいかな)
『あの歌麿が帰ってきた -「深川の雪」再公開』@岡田美術館
  (今行っても問題ないとは思うけど、箱根がもう少し落ち着いたら…)
nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 6

ナッキー

梅屋さんも行かれたんですね?私も上半期に観たい展覧会の一つで、まだ行けてないんですが(^^ゞ
絵画のことは全く素人なんですが、色使いがとても綺麗でずーっと観ていたくなるカンジです。

チケットホルダーは、アルフィーさんのメモリアルチケットが入るサイズなのかコメントで伺おうと思っていたら、梅屋さんきちんと入れてくださってましたね。ありがとうございます。オフィシャルのがもうボロボロなので探しているんですが、メモリアルチケットが入るサイズってなかなか無いんですよね(ToT)でも、これは買いですね(^.^)
by ナッキー (2015-05-28 23:12) 

梅屋千年堂

>ナッキーさん
もちろん行きましたよ〜。
アートの中でも琳派とルネサンスは大好物ですから〜(*^^*)。

チケットホルダー、フフ…欲しい情報を押さえてますでしょ?…なーんて(笑)。
これは美術展のみならず、アルフィーのライブでも重宝すること請け合いです。
お値段も¥500とお手頃です。
てゆーかアルフィーもグッズやCDの特典で、こういうの作って欲しいですよね。
(メモチケがビミョーにはみ出すヤツじゃなくて…←超小声^^;)。

by 梅屋千年堂 (2015-05-28 23:54) 

ナッキー

5/31(日)、NHKホールの当日券が私の前の人で売り切れてしまった。終了後、ライヴに参加してる友達と食事する予定なので、‘どうやって3時間潰そうかなぁ?’と考えた時、’折角渋谷に居るんだからボッティチェリ観に行こう!‘と思い立ちBunkamuraミュージアムへ。

日曜日でしたが思っていたほど混んでいなく、展示スペースも広々していたのでゆったりノンビリ観ることが出来ました。

やはり『受胎告知』の大きさと綺麗さにビックリしてしまいました。作品を2周くらい観て、最後に『受胎告知』をソファに座りながら閉館まで観てました(^^ゞ
チケットホルダー買っちゃいました(^.^)
これから大活躍してくれそうです(^O^)
by ナッキー (2015-06-02 12:25) 

梅屋千年堂

>ナッキーさん
アタシが行った時も、平日だったこともありそんなに混んでいなかったのですが
日曜日でも殺人的に混んではいないのですね(・o・)。
今はあんまりブームじゃないのかなぁ?ルネサンス。

フレスコの『受胎告知』、いいですよね〜。
一度観たら忘れられない作品のひとつです。

大天使ガブリエルの、胸の前に組んだ腕からなにやら光線が発せられていて
なんだかこれ、スペシウム光線みたいだな(^^;と
くだらないことを考えてしまったことはナイショです。

チケットフォルダーは、『受胎告知』と『ヴィーナス』の2種類がありましたけど
『ヴィーナス』の方はちょっと持って歩くのに勇気がいりますね(^^;。
元ネタの『ヴィーナスの誕生』の全裸のヴィーナスと殆ど同じなのに
背景が黒一色になって、髪を三つ編みにして、薄衣を身に付けるだけで
なんでこんなにエロくなってしまうのだ?と思いました。

by 梅屋千年堂 (2015-06-04 01:58) 

りく

こんばんは。

展覧会に昨日行って来ました。
絵画の事は全然わかりませんが、
「受胎告知」凄く感動しました。
梅屋さんのブログもしっかり読んでいって
良かったです。
いつも、素敵な展覧会の紹介有難うございます。


チケットホルダーは(私.娘.お姑さん.相方ちゃん)
自分用のポストガードと一筆戔を買って帰って来ました。

☆ここで紹介されたチケットホルダーが凄く素敵で
欲しいと思ったんです。
皆に購入したのは、私も欲しいと絶対言われると思い
大量に購入してしまいました。
by りく (2015-06-08 21:20) 

梅屋千年堂

>りくさん
細かい蘊蓄など知らなくても、直感で「いい!」とか「好き!」と感じれば
それでいいんじゃないかと思いますよ。
知識や蘊蓄なんかは後から付いてくるもので
「これってどうしてこうなんだろう?」とか
ふとした疑問が湧いてきたときに、ちょっと調べてみればいいんだと思います。

最近の展覧会はグッズが充実していてホントに困り…じゃなくて
楽しいです(^o^;。消え物なんかもいろいろあるし、
パッケージも展覧会限定のデザインになっていたりするので
お土産に買っていっても喜ばれますね。

ちなみに次に行こうと思っている展覧会は
名古屋ボストン美術館「ダブル・インパクト」
パナソニック汐留ミュージアム「アール・ヌーヴォーのガラス」
平塚市美術館「ペコちゃん展」
…このあたりです(我ながら節操も一貫性もないなぁ^o^;)。

by 梅屋千年堂 (2015-06-08 21:55) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0