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THE 琳派 -極めつきの畠山コレクション- [EXHIBITION]

『THE 琳派』というタイトルの、なかなかそそられる展覧会を
畠山記念館というところでやっているので、行ってみることにした。

畠山記念館…どこにあるんだろう?と調べてみたら、最寄り駅は高輪台。
なんだ、明学のわりと近くではないか。しかも高輪台駅から徒歩5分。
地図が示す通り歩いてみるが、なにやら住宅街の真っ只中。
「←畠山記念館」って看板も出てるけどとホントにここでいいの?
と疑いたくなるような細い路地を通り、進んで行くと…

目の前にこのような素敵な門構え!。
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どうやらここが入口らしい。
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立派な門を入っていくと、日本庭園が広がっている。
おぉ〜!なんて素敵なところなんだ!。
お庭は帰りにゆっくり観て行こう。とりあえず美術館の方へ。

美術館の入口に辿り着くと、そこにはスリッパが用意されていて
「履き物を脱いでお上がり下さい」とある。
フォッ!!!靴を脱いで上がる美術館なんて初めてかも。
そうと知っていたら脱ぎ履きしにくいレインブーツなんて履いてこなかったのに。
(後でホームページを読んだらちゃんと書いてあったんだけどね^o^;)。
ヨタヨタしながらブーツを脱ぎ
荷物も建物の外にあるロッカーに入れてようやく建物の中へ。

入ってすぐに受付。入館料¥500。安ーーーい(*^^*)。

展示室は2階。
階段を上がっていくと、広い展示室が1室のみ。
右手にガラスケースが並び、左手にはお座敷があり、そこにもガラスケース。
座敷に上がって作品を鑑賞する、ということらしい。

入って周りを見回した瞬間は「えっ?!これだけ?」と思ったのだけど
作品ひとつひとつをじっくり鑑賞ていくと、見応え十分!。
しかもアタシの他に数人しかお客さんがいない。う〜ん、最高!。

シーーーーンとした展示室内に、ポチャン…ポチャン…と
どこからともなく雫が落ちるような音が聞こえてくる。
まさか外の雨の音が聞こえてくるわけはないだろうし、いったいどこから?。
音のする方に目をやると、室内の一角(さっきの座敷の奥の方)に茶室があって
その脇に燈籠と竹水栓があり、水の音はそこからのものだった。

肝心の展示の内容だが『THE 琳派』という割には
金屏風のような煌びやかな展示は少なく、
尾形光琳(1658-1716)の作品よりも、
むしろ弟の尾形乾山(1663-1743)の工芸作品がメインといった感じ。
畠山記念館は、茶道具のコレクションが充実しているので
茶碗や掛け軸など、茶の湯に関係した展示が中心なのだろう。

乾山の焼き物は、琳派とはいえ素朴で親しみやすいところがいい。
梅の絵が描かれた《結鉾香合》はとても可愛かったし
《銹絵染付笹文茶碗》や《黒楽茶碗 銘 武蔵野》なども渋くて格好いい。

その他の焼き物では、本阿弥光悦(1558-1637)の《赤楽茶碗 銘 雪峯》、
これがとっても素敵だった。


書画の方では、やっぱりアタシの大好きな酒井抱一(1761-1829)。
展示期間の関係で、今は2作品しか展示されていないけれど、
そのうちの一つ《月波草花図》が、もうツボ中のツボ。
少し前に『琳派名品展 RIMPA』で観た、
鈴木其一(1796-1858)の《名月に秋草図》と同様、三幅対の掛け軸から成り、
左側は《水草蜻蛉図》、中央は《波上名月図》、右側は《野花蟷螂図》。
いずれも使用している色数は少ないが、その中で
左側の燕子花の青と、右側の桔梗の青がものすごく効いている。
そして草花の上にちょこんとのっかっている蜻蛉と蟷螂。
抱一って、こういうの描かせたら本当に巧いなぁと思う。


更にアタシを感動させてくれたのが、
俵屋宗達(生没年不詳)が絵を描いて、本阿弥光悦が書を書いた
いわゆる(というかアタシが勝手にそう呼んでいる)宗達×光悦のコラボもの。
《金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻》
《金銀泥薄下絵古今集和歌巻》
《小謡本》
と、なんと3点ものコラボものが展示されているのだ。

宗達が金泥や銀泥でサラサラッと描いた(ように見える)下絵の上に
光悦の抑揚に富んだ美文字(←読めないけれど、美しいことは分かる^o^;)。
いや〜…観ているだけでカッコイイ!!!。

読めないけれども(笑)、この展覧会では
どんな和歌がそこに記されているのかが分かるように、
ちゃんとキャプションが付けてあるという親切展示。こういうのって嬉しい。

規模は小ぶりながら、思った以上に充実していた展覧会だった。
ショップらしいショップはないけれど、ポストカードも充実していてこれまた感激。
例によって自分土産をいくつか購入し、満足感一杯で外に出た。

無茶苦茶寒いけれども、ちょっとお庭を観ていこう。

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毘沙門堂・浄楽亭。
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短時間にもかかわらず、冷たい雨で手が悴んできた。
でも、雨じゃないと観られない景色もあるわけで。
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苑内にはお茶室が点在。
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お茶のことは全くわからないけど、素敵だな〜。


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こんなところに、こんなに素敵なところがあったとはねぇ。
東京って奥が深い。


というわけで、自分土産。宗達×光悦のコラボものと、
光琳の八ツ橋図団扇と、乾山の結鉾香合。
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それと今回一番のお気に入り・酒井抱一《月波草花図》3点セット。
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更に《畠山記念館ハンドブック》。
ここのところ、立て続けに和物の展覧会を観てきて、
そこには当然のように茶道具が出てくるわけなんだけれども
茶道具に関する自分の知識があまりにもなさすぎることを実感していた。
この《畠山記念館ハンドブック》には、
茶道具のことがとても簡単にではあるが分かり易く書かれていて、
しかも安い(¥400)ので、思わず手に取ってレジに持っていってしまった(^o^;。

畠山記念館、スタッフの方も親切だったし、いいとこだったなぁ〜。
また行こう。
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