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フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展 [EXHIBITION]

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
『フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展シュテーデル美術館所蔵』。

光陰矢の如し。
2月のうちに前売り券を買っておいたのに、あれよあれよと会期終了10日前。
ヤバイ!ということでやっと行ってきた。

たとえ1枚しか来ていないとしても
フェルメール(の作品が)来る!というだけでその展覧会は大盛況!
というほど、日本では大人気のフェルメール。
今回もご多分に漏れず、雨のド平日にもかかわらず結構な人出であった。

フェルメールの作品ばかりが注目されている本展だが
実はレンブラントもあるし、ブリューゲルやルーベンスの作品も来ている。
(まぁルーベンスは他の人との共作だけどね^^;ゞ)。

この時代のフランドル絵画は、堅苦しい宗教画よりも
より庶民的な寓意画・風景画・室内画・静物画などが多く
画題もバラエティに富んでいるので観ていて飽きない。

フェルメール作品でも多く描かれている室内画でも
その室内にさりげなく置かれている調度品や家具なんかを
細かく観察するだけでもかなり楽しめる。

実を言うと、この展覧会でフェルメールの次に…
いやもしかしたらフェルメール以上にアタシの目を楽しませてくれたのは
ヤン・ブリューゲル(父)に代表される静物画や風景画だった。

今日の展覧会では多分必要ないかな?と思いつつも、
単眼鏡を持参したのだけど、これが大正解。

ある程度離れたところで作品の全体像を観た後に
写真かと見紛うような緻密な静物画の細部の筆遣いを
単眼鏡で改めて拡大して見る…。
その超絶テクニックにタメイキが出るばかり。

風景画にしても、B5サイズくらいしかない小品もあったりして
そういったものを単眼鏡で観てみると…
「おぉ?!こんなところにも人が描かれている?!(@o@)」などと
肉眼では気付かなかった新たな発見。
そんな風にちぃーーーさく描かれた人々の会話までも
聞こえてきそうな気すらしてくる。

単眼鏡で覗き込むことによって、その絵の中に入り込んだような
不思議な気分になるのと同時に、作者の目線に近づける。
そんな新しい鑑賞方法を見つけたような気がして
なんだか嬉しくなってしまった。


さて、目玉展示のフェルメール『地理学者』。
作品の大きさは51.6×45.4cm。決して大きくない。
きっとたくさんの人が群がっていて、あんまりよく見えないんだろうなぁ…
なんて思っていたのだけど、タイミングがよかったのか
作品の前にはさほど人が群がってはおらず
思っていたよりも時間をかけてゆっくり観ることが出来た。

と言うものの、作品保護の観点から照明がかーなーり落としてあって
ちょっとこれ暗すぎじゃないか?(^^;というくらい見づらい。
作品の横に「ここに注目」みたいな感じで
解説も一緒に展示されているのだけど、
その注目点のひとつである、机の上のゴブラン織りの豪華な布などは
展示室内が暗すぎて、なーんかよく分からなかった(-_-;。

だけども、フェルメールのこうした室内画に観られるドラマは
そんな暗い中でも十分感じることが出来た。
ハッとした面持ちで顔を上げて窓の外に目をやっている地理学者は
この瞬間、一体何を思いついたんだろう?
この後何かに取り憑かれたように、
手元の書類?にいろいろと書き込んでいくんだろうか?
それともしばらくずーっとこのまま外を眺めたままなのか?。

絵の右端で切られている壁の地図とか、素敵な椅子も
この部屋のこっちがわ(右側)は一体どうなってるんだろう?
などと、想像力を掻き立てられて、観ていてやっぱり面白いし飽きない。


それにしてもまぁ…フェルメール人気は衰えを知らず
ここんとこ毎年毎年なんらかの作品が来日しているけれど…
chirigakusha.jpg
この後も、上のチラシの『手紙を読む青衣の女』が来たり、
また来年には、現在大規模改修工事中の東京都美術館で
あの!『真珠の耳飾りの少女』が観られるらしい。

世界に30数点しかないと言われているフェルメールだが
日本にいながらにして結構何点も観られるって…なんかシアワセ。




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『フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展シュテーデル美術館所蔵』。
は、5月22日(日)までBunkamura ザ・ミュージアムにて開催中。
(6月11日からは、豊田市美術館にて開催予定)。



ついでに、今後行きたい展覧会の覚え書き。
『ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展』
9月17日(土)〜11月6日(日)@川崎市民ミュージアム

福田繁雄氏といえば
 ↓コレなのだ。
THE ALFEE CLASSICS II  THE ALFEE with Royal Phillharmonic Orchestra

いや、展示はされてないと思うけどね。




国立西洋美術館のレンブラントも早く行かねば〜〜〜ヘ( ;^^)ノ。



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《オマケ》
本日のミュージアム・ショップにおいては、
見事、誘惑に打ち勝った!(爆)。
というか「これ!」というグッズがなかったってだけなんだけど(^o^;。

その代わり…というわけでなないが
美術館の後、立ち寄った銀座の三越で見つけた《萩の月》。
haginotsuki.jpg
子供の頃に初めて食べたときの感動は、未だに忘れられないな。
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コメント 4

ゲゲゲゲゲの鬼太郎

関東は、本当に展覧会にしてもイベントにしても数多くあるので、どれに行くか選んだり、日程をこなすのも大変ですね。うれしい悲鳴ですよ。

オマケに食いつきます。(笑)

萩の月、あーこのお菓子!!って手が止まりました。

先日、知り合いが東北にボランティアに行かれるというので、自らはなかなか何も出来ないので、せめてボランティアに行かれる方に差し入れをと思って、少しばかり差し入れをしました。
そうしたら、後日申し訳ないことに、「お土産~」と言って、この「萩の月」をいただいたのです。

懐かしいような、卵のきいたやさしい味とふんわり感。私にとっても、忘れられないお菓子になりました。今度、どこかで見かけたら、梅ちゃんみたいに、私も買ってしまうことでしょう。

予習の方は、レオンと同い年の「冒険者たち」が、てこずってます。
でも、前回の予習(ヤッターマンの2番以降の歌詞)より、楽しんでやってま~す。(笑)
by ゲゲゲゲゲの鬼太郎 (2011-05-14 16:01) 

梅屋千年堂

>ゲゲゲゲゲの鬼太郎さん
展覧会もイベントもたくさんやってくる関東ではありますが
それでも地震や原発事故の影響で
作品を貸し出しできなくなったと行ってくる海外の美術館があるようで
中止や延期になった展覧会もいくつかあるようです…。
(横浜美術館のプーシキン美術館展も中止になりました)。
このフェルメールも、豊田市の方は中止になるかも…と
震災後に美術館の館長さんが懸念されているニュースを観ました。
確かにあの時点で日本に作品を貸し出していた美術館は
内心気が気ではなかったと思います。

もとい、萩の月…美味しいですよね〜。
類似品は数あれど、やはり萩の月が一番美味しい気がします。
加えてあの過剰とも思えるほどの素晴らしい包装(^^;。
あそこにも作り手のこだわりと愛情を感じます。

通常原則として宮城県外では販売しない方針らしいですが
今回はこんな事態なので、期間限定で都内に出店しているようです。

あ…そういえば冷蔵庫にもう1個残っていたはず。
広島行ってる間になくなると悲しいから食べよっと(笑)。

by 梅屋千年堂 (2011-05-14 21:51) 

きゅう

どこに書くか悩んだ末にここに書いてます。
豊田のフェルメールに行ってきましたが豊田は比較的照明は明るめでした(一部暗いところもありましたが)。

「地理学者」は汚れが多いのか布やタイルの青い色がよくわかりませんでした(残念)。その隣にあった解説ビデオはよくわかりましたが、帰りに買ったポストカードやチラシは色がよくわかりましたね。まさかグッズを買わせるために…(笑)。

いつも思うのですがタイトルの原語(英語)を見る方が絵画のテーマがわかるものも多いですね。逆に「上手い和訳だな〜」と感心する物もありますが。
(別に英語に長けているわけではないですよ)

豊田の美術館は城跡にあるらしくちょっと小高い所にあるのですが夏の昼間に坂を上ったあとは着いたときに汗だくでした。
ちょうど小田さんのライブのあったスカイホールとは駅を挟んで正反対の方向だったのですが高低差は考えていませんでした。

夏休みだから混んでいるかと思ったのですが比較的空いていましたね。
音声ガイドは佐々木蔵之介さんでした(これは共通なのかな?)。
by きゅう (2011-08-22 22:36) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
東京展でも音声ガイドは佐々木蔵之介さんでしたよ。
最近の音声ガイドは、なかなか凝ってますよね。
有名な役者さんを登用したり、作品と関連する音楽を流してみたり。
音声ガイドの液晶画面に、解説が表示される展覧会もありました。
(全部観て全部聴いていると日が暮れてしまいますが…^^;)。

>>原語(英語)を見る方が絵画のテーマがわかるものも多いですね
確かに。
これは映画とか洋楽に関してもそうですよね。
最近はそうでもないですけど、
一昔前は「何故この原題がこの日本語に?!」
みたいなものが多かったですよね(^^;。

豊田市美術館、小田さんにいわせれば「共産圏云々…」みたいですが
閑静な場所にあるようで、静かに美術鑑賞が楽しめそうなところですね。

さて、アタシはいい加減『空海と密教美術』に行かないと…ヘ( ;^^)ノ。

by 梅屋千年堂 (2011-08-22 23:28) 

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