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天使と悪魔(映画) [Music,Movie&Musical]

あのサードプラネットが入っている
ノースポートモールにあるワーナーマイカルのレイトショーで観てきた。
久しぶりの《午前様》で先程帰宅(^^;ゞ。

以下、映画の内容に関するネタバレあり。
これから『天使と悪魔』を観にいく予定の方は要注意!。

ノースポートモールのある横浜市営地下鉄のセンター北駅は
現在アタシの通勤ルート真っ只中なんだが、
今の職場に入って以来、一度も途中下車したことがなかった。
久々に来たから王子のギターでも観ていくか〜と思って
サードプラネットにも寄ってみたのだが・・・アラ?ギターないじゃん(^^;。
常設展示じゃなかったんだっけ???。

まぁいいや(笑)。

で、本題の映画の話。

・・・なんだかすっかり別のお話になっちゃってたんだけど?。
アタシが観たのは、確かにダン・ブラウン原作の
『天使と悪魔』を映画化したものなんだよねぇ?(^^;、
そう尋ねたくなってしまうくらいに、全くの別物になってしまっていた。

登場人物の名前や設定が原作と異なるという噂は聞いてはいたが
ストーリーまでこんなに変えてしまうとは驚きだ。
明らかにこれは脚色の域を越えている(笑)。
物語の核となるような部分まで変更したり端折ったりして
原作者はよくこれでOKを出したものだ。

謎解きもあまりにも簡単に解決してしまうので面白くない。
と言っても映画という限りのある時間の中で納めなければならないし、
こればっかりは端折れないから仕方ないのかも知れないが。

とにかく原作よりも薄っぺらな上に乱暴で、
正直なところ、ちょっとガッカリ感は否めない。
特に登場人物のバックグラウンドを省略しすぎていて
なんだかちっとも感情移入できない。

まず最初に殺害されたのが、
ヴィットリアの父ではなく同僚という設定であること。
しかも彼が科学者であり司祭でもあることが明かされるのは映画の終盤。
殺されたのが父親じゃないから、
ヴィットリアの犯人探しに対する執念も、原作ほど真に迫っていない。

ハサシンVSラングドン教授の死闘の場面がなくこれまた拍子抜け。
原作のラングドン教授はあまりにも超人的(強すぎ)なのも
どうなのよ?と思ったけど、あの死闘がないと今一つ盛り上がらない。
まぁラングドン教授とヴィットリアのロマンスがないなら
この場面を入れてもあんまり意味がないか(^o^;。

ハサシンの不気味さや無慈悲さも今ひとつ伝わってこず
原作のような迫力のある怖さが感じられなかった。

セルンの所長であるコーラーという設定がない中で
一体どうやって最後の《タネ明かし》をするんだろう?と思ってたら、
そーゆーわけだったか。
しかし、瀕死(即死?)のリヒターが握ってた鍵をチラ見しただけで
何かを感じ取ったラングドン教授は余りにも勘が良すぎ。
まぁでもいいのか。教授には神のご加護がついてるんだから(笑)。

それにしたって、
一番端折ったらダメなとこを省いちゃってたのにはビックリだよ。
それはカメルレンゴの父が、実は前教皇だったこと。
前教皇が子供をもうけていた(=貞潔の誓いを破った(とカメルレンゴが思い込んだ))ことが、
今回の犯行のそもそもの動機になってるんだから
ここを端折っちゃ説得力も何もありゃしないじゃないか?。

先が読めちゃう展開だった原作の中で、
アタシがただ1箇所だけ「ええっ?!」と驚いたのが、
カメルレンゴの生い立ちについて、モルターティが告白する場面だったのに。

彼が何故こんなにも神を(教会を?)
愛するようになったのかという経緯にも殆ど触れられてないし、
とにかく全体的に表面を浚っただけという印象ばかりが残った。

そしてカメルレンゴの最期も、
映画の方はちょっと気の毒になるくらい格好悪かった。
原作では群衆が見守る中、声も上げずに炎に包まれていったのになぁ。
映画じゃ「ギャァァァァァーーー!!!」とか絶叫してるし。

あ、そうそう。
最後の焼き印も「なんじゃこりゃっ?!」って感じだったね。
なんで原作に出てきた見事なアンビグラムを使わないのよ?と。


でも映画もそうそう悪いところばかりではない。

4人目のバッジア枢機卿が一命を取り留める場面は良かったね。
それまで悲惨なことばかりが起こっていた中で、
“救い”を感じられる瞬間だった。
(原作でも、最後にバッジア枢機卿が絶命するくだりは
 また違った意味でちょっと泣かされる場面でもあるのだが)。
あ、でも穿った見方をすれば、これまたサンタンジェロ城への謎解きを
省略するために、バッジア枢機卿を生かしておいたとも言えるか(^o^;。


そして、ラストシーンに関しては映画の方が良かった。

新教皇からのお礼の贈りものも
焼き印よりは『真実の図表』の方がラングドン教授も嬉しかろう。

そしてその後大聖堂のバルコニーのカーテンが開いて、
サン・ピエトロ広場に集まった群衆が
新しい教皇の姿を観て歓呼の声をあげる場面も良いと思った。
何を信じて生きていくかは個人の自由。
何かを信じることによって幸せな気持ちになれるんだったら
それはそれで素晴らしいじゃないかと思った。

映画では、結局今回の事件の暗い部分はヴァチカンがすべて闇に葬り去り、
信者を始めとする一般市民に真相が語られることはなく、
偽りの情報をメディアに流して終わったわけだけど
ま、それも信じる人達が傷つかずに幸せでいるためにはアリなのかなと。


ともかく、小説の『天使と悪魔』と映画の『天使と悪魔』。
これはもう全くの別物と思って読んだり観たりした方がそれぞれ楽しめるかも。
(てーか、やっぱりラングドン教授はトム・ハンクスじゃないんだよな〜笑。
 ヴィットリア役の女優も美人だったけど映画では終始シックな服装で、
 原作みたいにショートパンツで大聖堂を闊歩するヨガの達人じゃなかったし^^;)。


最後に、原作を読まずに映画だけを観た人に訊いてみたい。

「映画だけを観て、純粋に面白いと思いましたか???」と。


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うわっ、宝箱出ちゃったよ〜(汗)。
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コメント 4

えの

バッジア枢機卿が一命を取り留めた場面、
「お話とはいえ、イタリアのプレフェリーティのバッジア枢機卿まで
殺しちゃったら、ヴァチカンにへそ曲げられて撮影許可下りないから?」
なんて思いながら観ていました。

ヴィットリア役の人、原作を読んでいる時私の頭の中では
007 ワールド・イズ・ノット・イナフのDr. クリスマス・ジョーンズを
想像していたので、なんか違う・・・と思いました。美人ではあったのですけど。

途中休憩を入れてしまう『風と共に去りぬ』ほどとまでは言いませんが、
もうちょっと長くして細かく描写してもらいたかったなぁと。

映画だけを観た主人は楽しめたようです。
映画に出てくるアルファロメオの疾走シーンに興奮(アルファ乗り)したり、
『旅ボン イタリア編』という本に出てきたサン・ピエトロ広場の彫像を
思い出しながらなので、純粋にかどうかは怪しいところですが。
by えの (2009-05-28 11:49) 

梅屋千年堂

>えのさん
映画のヴィットリアは原作のイメージよりもおしとやかなお嬢さんという感じでしたね。
もっとアクティブでお転婆でじゃじゃ馬なねーちゃんを想像していましたが(^^;
存在感も今ひとつだった気がします。
でも美人ですよね。スタイルもいいし。
『離愁』のロミー・シュナイダーにちょっと似てるな〜と思いながら観ていました。

>>もうちょっと長くして細かく描写してもらいたかったなぁと
同感です。そしてもうちょっと原作に沿って話を進めて欲しかったです。

そういえば、パンフレットに通常版とDVD付き限定版があったのには驚きました。
(そこまで力を入れる作品なんだろうか・・・^^;)。
買ったのはもちろん通常版ですが、内容と関係なく
表紙を始めとする数々のアンビグラムにひたすら感心してしまいました(笑)。

by 梅屋千年堂 (2009-05-28 23:37) 

ちゃあ~

午前様、お疲れ様です。

梅屋さんも私と同じ思いで、よかったです★
前教皇が実の父だったというエピソードは外しちゃダメだよねぇ。
教皇との出会いとか、神の啓示とか、なんにもないんだもん。

カメルレンゴも、コンクラーヴェを取り仕切ってきた枢機卿も
ヴィットリアもただの添え物だよ。
カメルレンゴの神々しさや、ヴィットリアの魅力などが、
描ききれていないのは、本当に残念です。
最後の焼印も、なぜイルミナティ・ダイヤモンドではなく、
鍵が交差したものになったのかね?

ヴィットリアは、ちょっと前(若いころ)のアンジェリーナ・ジョリーとか
ハル・ベリーとかがいいかな。ショートパンツの似合う脚線美で、
パワフルな感じだよね。
とりあえず、ラングトンはトム・ハンクスのように野暮ったくないと
思うんだけどな。

by ちゃあ~ (2009-05-29 12:06) 

梅屋千年堂

>ちゃあ〜さん
だよねー。肝心なところを省いちゃったから
なんのメッセージ性も感じられないバタバタ映画になっちゃってたよね。

ヴィットリアはアンジーかハル・ベリー、なるほどね〜。
当初はナオミ・ワッツが演じるなんて噂もあったみたいだけど
ナオミ・ワッツでもイマイチ違う気がするなぁ(^^;。
(だって本来ヴィットリアはイタリア人だもんねぇ?)。

アタシだったらそうだなぁ・・・
エヴァ・グリーンとか(フランス人だっての!しかも若すぎ?笑)
あとはファムケ・ヤンセン(こっちはオランダ人)とか。
・・・でも・・・うん、ファムケがいいな。
で、映画には出てなかったけどマクシミリアン・コーラーは
パトリック・スチュワート。
で、ラングドン教授はヒュー・ジャックマンにやっていただこうかね。
・・・って、それじゃ『X-MEN』だ。

by 梅屋千年堂 (2009-05-29 22:28) 

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